俺の手はぎゅっと椎名の二の腕を掴む。
「椎名。好きって言って」
「好きです、千紘さま。愛してます。2度と離したくない」
「うん。離さないで……っ、ん、……んふ、ん」
言い終わる前にキスが降ってきた。
ちゅっちゅっと啄むようなそれは、唇を数度つつくと今度は頬に、鼻に、まぶたに、髪の生え際にまでキスをした。
「椎名……、好き。好き。」
「千紘さま……。はぁ、なんでこんなに滑らかなんでしょう。あまりにも美しいです」
椎名が俺の頬を手の甲でなぞる。
ぞくぞくと背中が粟立って、身をよじらせると、椎名が熱いため息を吐いた。
「陶器のようです。それでいて、百合のように白い」
「好きか?」
「はい。たまらなく愛おしいです。食べてしまいたい」
思わず苦笑する。
自分にだ。
椎名になら食べられても構わないなんてことを思ってしまった。
顎をあげて、唇を椎名に向ける。
キスをしてほしい。もっと。もっと。
「しいな……キスして」
「……あぁ。可愛い千紘さま」
椎名は俺の唇を下から食べるように口づけた。
柔らかい唇が触れて、つぶれる。混じり合うみたいに。
「……んぅ」
椎名に唇をなめられて、思わず声が上がる。
「千紘さま、お口開けて」
「ん……」
おずおずと口を開くと、口内に椎名の熱い舌がずるりと入ってくる。
あっという間に俺の舌はとらえられて、ぐちゅりといやらしい水音を立てた。
「ん……ふ……ん、ん、しいなぁ」
「……はぁ、千紘さま……、可愛い」
俺はぎゅっと椎名のシャツを掴んで、激しいキスに耐える。
全身が心臓になったみたいにドキドキして、足のつま先まで痺れが広がる。
もっと。もっと。
椎名とどろどろに溶け合いたい。
服もいらない。熱い体温を感じたい。
「椎名。脱がして」
「全部ですか?」
「うん。全部。椎名に全部見られたい」
「あぁ……なんてことを。千紘さまは私をいけない人間にします」
椎名が額をおさえて、熱い息を吐いた。
火傷しそうな視線で見つめられて、目が合う。
じっと見つめ返すと、椎名は耳の先を赤くして、俺のコートに手を掛けた。
ボタンを外されて、次々と服を脱がされていく。
庭小屋といえど、暖房のついた部屋で、十分に暖かいから脱いだところで凍えることはない。
「ふふ。随分厚着ですね。いつまで経っても肌が見えない」
「そうだろ。安野は過保護すぎて困るんだよ」
最後のシャツを脱がされると、以前よりも赤く尖った乳首が2つ、空気にさらされた。
椎名の視線を感じる。
椎名は乳首を舐めるのが好きだ。そのせいで、俺のそれはなんだか熟れた果実のようになった。
今も赤く熟れている乳首がピンと張って椎名を求めていた。