それから俺は毎日勉強の休憩の時間になると、椎名の元に向かった。
椎名が休みの水曜と日曜はつまらないけど、椎名にも休みが必要だ。それは仕方ない。
毎日通っているうちに、メイドや執事たちに、“俺は今椎名がお気に入り”という情報が伝わったらしい。
庭に出る時はケーキやティーセットがテラスに用意されていることが多くなった。
そのため、庭に出たら、庭に置いてあるテーブルセットに腰掛けて、まず2人でお茶をする。
そのあと、ずっと喋っていることもあれば、椎名の仕事の見学をしながら一緒に庭を回ることもあるし、小屋の中に入ってたくさんキスをすることもある。
キスをすると、なぜかたまにおちんちんが腫れあがるから、それを椎名におさめてもらうのもお決まりだ。
今日で椎名と出会って1ヶ月。
相変わらず椎名とお昼のティータイムをしている。
庭師姿なのに、ティーカップを持つ姿が様になりすぎていて、思わず見とれる。
「なぁ、椎名」
「はい」
「お前って明日休みだろ? 日曜」
「そうですね」
「休みの日って何してんの」
そう聞くと、椎名は少し考えるように宙を見上げて、俺の顔を見た。
「普通の方と変わらないと思います。映画や食事に行くときもありますし、仕事の講習に出かけたり、家で花の本を読むことも多いです」
「へぇー、休みの日も勉強したりするのか。偉いな。俺なんて日曜だけ勉強が休みだからさ、日曜は執事とチェスしたり、将棋したりして遊んでんぞ」
「それはいいですね。坊ちゃんとチェスなんてすごく楽しそうです」
「あ、じゃあ、今度やろうぜ。ここに持ってきてもらう、チェス盤」
「はい、ぜひ」
椎名はにこにこと笑う。
これだけ綺麗なら、俺の他にもたくさんの人が椎名に恋をしたのだろう。