「助けれる? 椎名」
「……はい。ここじゃ、ダメなので、こっちに来てくれますか? 汚いところですけど」
「うん」
立ち上がった椎名に手を引かれて、さっき椎名が出てきた小屋に連れて行かれる。
中は確かに綺麗とは言い難かった。
花に水をやるホースや肥料、土などが並び、その横に小さなテーブルセットが置かれている。
冷蔵庫やポット、キッチンもある。
「お前はよくここにいるの」
「はい、休憩の時はここで昼食を食べてます」
「ふうん。そう」
椅子を引かれたから、そこに大人しく腰掛けた。
椎名は椅子に座らず、俺の前にしゃがみこんで、俺の顔をじっと見る。
「見せてもらっていいですか?」
「え、ここを? ズボン脱ぐ?」
視線を下にやる。
椎名は神妙な顔で頷く。
「いいけど、治せよ」
「はい」
椅子に座りながら、ズボンのホックをはずす。
チャックをジャーと下ろしていると、目の前で椎名はなにか重たいものを吐き出すように、ふぅっと息を吐いた。
ズボンを下にすとんと下ろして、下がパンツだけになる。
子供用の黒いボクサーブリーフを押し上げるようにあそこが盛り上がっていて、見慣れぬ光景に心臓が跳ねた。
「やっぱり変だよ、椎名。これ」
「千紘さま、パンツも脱いでくれますか?」
椎名は俺の不安を分かっているはずなのに、そこはスルーして、パンツを脱ぐように促してくる。
でも別にこれを見て驚いた様子はないから、重症ではないのかもしれない。
椎名なら治せるのかもしれない。