「え! え、なにこれ」
「ん? どうされました。漏れそうですか?」
「ち、違くて」
俺があそこを掴む手を椎名はじっと見ている。
恥ずかしいけれど、それよりも感じたことのないあそこの形にびっくりして、恐ろしいとしか思えない。
やっぱり俺は病気なのだろうか。
変な病気かもしれない。
「し、椎名。助けて」
「ん? どうされました。お手洗いに連れていきましょうか?」
椎名が心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。
どうやら椎名は俺が漏らしそうだと思っているらしい。
そうではない。
そうではないのだ。
そんなことなら、今こんなところで泣きべそをかいていない。
「ここが変なんだ。触ってみて。ここの形がいつもと違う」
「え?」
「俺、病気かな? じんじんするし、熱いんだ」
椎名の大きな手を掴んで、股間に引っ張っていく。
驚いたような顔のままの椎名を無視して、無理やりズボンの上から触らせた。
「ん……っ。椎名、これなに? いつもはこんな感じじゃないんだ。じんじんする。助けて」
椎名の顔を見上げる。
不安で涙がこぼれそうになるのに、椎名は俺の股間に手を当てたまま、固まっている。
「椎名?」
俺が呼びかけると、我に返ったのか、ごくりと1度喉を鳴らした。
椎名の目を覗き込む。
どうしたのだろうか。
やっぱり重症?