そうだ。いまは、この部屋に二人きり。保健室にいるはずの教師はいまはいない。ベッドもある。宮田は弱って抵抗できない。
襲うには絶好のシチュエーションだな、とまたひどいことを考えた。

「……」
「…あ、……」
安っぽいベッドに乗り上げたら、ぎしぎしと大袈裟な音を立てた。
いつものように上から、宮田を見る。あとはこのまま、布団を剥いで、着ている服を捲り上げて、それから足を開かせて強引に挿入すればいい。慣らしていようがなかろうが関係ない。


「……、い、いざわ…っ…」

布団に手をかけたところで、宮田の震えた声が聞こえた。


「…今日は、……き、今日は、いやだ……っ、う、…うぅ、っ」

嗚咽と、咳が交じって、苦しそうに宮田が泣いた。「いやだ、お願い、やめて」とうわごとのように言う。
「……」
何でこんなことしてるんだっけ、と急に気分が冷めていく感覚がした。

「う、ぅ、っ、……っ…」

そして、なんとなく、泣き顔はもう見飽きたな、と思った。


「ふ、…っ、うぅ…っ」
「……わかったよ、宮田。もう何もしないから。一緒に帰ろう」

泣いてばかりいる宮田を起き上がらせる。教室から持ってきた制服に着替えさせてやった。
やっぱり足元はふらふらしていて危なっかしい。手をつないだら、一瞬目を見開いて、また涙を流した。

 

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