昼からの体育の時間は面倒で仕方なかった。
グラウンドは照りつけるように暑くて、こんな日に何で外でサッカーなんか。ボールを適当に蹴り飛ばす。女子の黄色い声がする。うっとうしい。


「宮田?!」

ゴール前で、パスを待っているときだった。後ろから、ざわざわと女子とは別の声がして、振り返る。
宮田、とだれかが呼んで、近づくと地面にあいつが倒れ込んでいた。
「おい、だれか保健室つれてってやってくれ」
教師が言って、だれかが名乗り出るより先に痩せたその身体を担ぐ。

「……」
腕の中には、青白い顔で、ぐったりとした宮田。
そういえば、昨日、妙に焦ったように抵抗していた。普段ならおとなしくされるがままの宮田が。
「…ちっ……」
少し落ち着かない気分で、足早に保健室へと向かった。




「ひどい熱ね、顔色も悪いし」

しばらく寝かせておいてあげて、と保健室の教師がおれに言って、ベッドのそばからいなくなる。がらがらと、扉の閉まる音がして部屋から出ていったとわかった。
ベッドの上で苦しそうな表情を浮かべて宮田が眠っている。その様子をただ見下ろしていた。宮田はグラウンドで倒れたきり、まだ目を覚ましていない。時計を見たら、もうすでに体育の授業は終わっていて、放課後になる時間だった。


 

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -