とりあえず水着。



今年も夏真っ盛りの季節。
暑さにも寒さにも弱いおれは、この頃すこしバテ気味。
夏といえば、海。海といえば……

(水着かあ。おれスク水とか結構好きだったんだよな……)

どこからともなく、「この変態!」と聞こえてきそうな予感。
無難にビキニもいいが、あのいかにも清純派代表!みたいな、スクール水着がやっぱり良い。学生の頃、水泳の時間、ひそかに女子の水着姿をみて、興奮したりしていたなあと懐かしくなる。

で、おれはいまどこにいるのかというと、とあるショッピングセンター。めずらしく遠出して買い物に来ていた。
瀬戸に貸した自分の服を、調子に乗って破いてばかりいたら、まともに着用できる服が減ってきて仕方なく調達にやってきた。一応瀬戸にも「一緒に行く?」と声をかけたが、「今日しんどいからやめとく」とお断りされた。瀬戸の体調がすこし心配だ。

二人分の部屋着を何着か適当に手にして、ふらふらと売り場を見て回る。
振り向くと、水着を着せられたスタイルの良いマネキンが目の前に現れた。


瀬戸と暮らし始めてから、おれの変態具合に拍車がかかる一方で、収まる気配がない。
いまも、スクール水着姿の瀬戸を想像したりして、あらぬ部分がおかしなことになっている。

「……。よし」

体調の悪い瀬戸のためにお土産を買って帰ってあげよう。
これで元気になるとは到底思えないけど。




「はあ……ただいま」

久々の外出に若干疲れを感じつつ、帰宅。いろいろと買い込んでしまったせいで、荷物が重い。
瀬戸は、テレビの前にちょこんと座っていた。おれの帰宅に気付いて、振り返る。

「……、おかえり」
「!」

一言だけ言って、すぐにまたテレビのほうに視線が戻る。

(えっ、ちょ……っ!)

いま……「おかえり」って言ったか。
言ったのか!

「わあぁあ瀬戸ーっ!」
「っ、なに…っ!」

思わず両手の荷物を床に落としてしまった。疲れとかぶっ飛んで一目散に瀬戸に覆いかぶさる。突然の抱擁に動揺する瀬戸。

「ただいま!ただいまあ…っ」
「な、何だよ、気持ち悪い……」

感動で涙目のおれを見て、瀬戸はあきらかに引き気味だ。
瀬戸が初めておれに「おかえり」と返事してくれた。今日を記念日にしたいくらい嬉しい。かわいいから、ぎゅうぎゅう力任せに抱きしめる。「痛い、離せ」ともがいたけど、なかなか離す気になれなかった。

「遅くなってごめんね、あ、瀬戸調子どう?」
「……べつに、なんともない」
「ほんと?ならよかった」

目の前の瀬戸の頬を撫で回しても、とくに抵抗はされない。最近はあまり殴らなくなったから、瀬戸の頬から不自然な痣が消えていた。すべすべで気持ちがいい。ていうか、もう、瀬戸の全部がかわいい。

「あ!そうだ」
「……?」

思わぬサプライズ(瀬戸おかえり発言)のおかげで、今日のお楽しみを忘れるところだった。買い物袋から、例のものを取り出す。

「瀬戸にね、めちゃくちゃ似合いそうなの見つけたから買ってきたんだー」
「……」
「ほら、見てこれ!今日これ着て、しない?」

本日の戦利品を目の当たりにして瀬戸の表情が、途端に曇る。

「……。しない。もう寝る」
「えっ?あ、ちょっと瀬戸待ってよー」

冷めた眼差しと声で言うと、すっと立ち上がっておれのそばからいなくなる。
なんだよ。そのいかにも呆れて物も言えません、みたいな態度。これ、レジ通すの結構恥ずかしかったのに。せっかく瀬戸のために買ったのに!理不尽な怒りがこみ上げる。
水着片手に瀬戸を追う。腕を掴むと、本気で呆れた顔の瀬戸と目が合った。

「ねえ、一回でいいからさあ。お願い!」
「……ありえねえ。絶対嫌だ」
「ええ……、絶対楽しいってばー」

「着てくれたらまたアイス買ってあげるから!」と褒美をちらつかせたが、余計だめだった。

「子ども扱いしてんじゃねえよ」

どうやら怒らせてしまったらしい。怖い目で睨んで、腕を振り払い、ベッドに潜り込んでしまった。

「なあ瀬戸ー、お願いー」
「しつこい」
「つれないこと言うなよー……これ着てさ、久々にめちゃくちゃなのしようよ」
「黙れ変態!」

がばっと布団を被り、瀬戸の姿が見えなくなった。
いまさらというか、相変わらず、口の悪さは改善しない。さっきは「おかえり」ってあんなかわいい声で言ってくれたのに。きっと、この水着を着てあれこれ言わせたらもっとかわいいに違いない。ああ見たい。エロかわいい瀬戸が見たくてどうしようもない。
「……」
瀬戸は断固拒否という態度なので、ここはもう強行手段に打って出るしかなさそうだ。
顔の痣、せっかく綺麗になったのにもったいないけど、欲望には抗えない。

「……っ、!」

瀬戸を覆う布団は、邪魔なので引っぺがして床に放り投げる。横向きに丸まった瀬戸がびっくりしたようにおれを見る。

「瀬戸さあ……自分の立場覚えてる?」
「っ…な、……、っ!」

寝室に痛々しく、乾いた音が響く。
手上げたの、どれくらいぶりかな。
久々に手加減抜きで顔面に一発くらわせる。殴られた頬を押さえながら、硬直する瀬戸。ああこの感じも久しぶりだ。
暗がりにでもわかった。いま、瀬戸は絶対、悲愴感でいっぱいの顔してる。

「『ちゃんと着るから許してくださいごめんなさい』って言えるまで、今日はお仕置きだな」
「…っ、い、…っ!」
「早く言わないと、また顔痣だらけになっちゃうよー」
「う、ぅぐっ…ぁ、」

瀬戸に馬乗りになって、好き勝手殴るおれ。さっそく鼻血が出て、おれの拳に血がついている。洗ったばかりのシーツにも。その上で瀬戸が苦しそうに呻く。

最後に、強烈な一発をお見舞いしてやろうと手を振り上げたときだった。


「…っ、き、…っ、きる、着る、から……」

やっと観念したようだ。腫れた顔に、涙のオプション付きで瀬戸が言った。

「はは、よかった。瀬戸ならそう言ってくれると思ったよ」

殴られてぼろぼろになった瀬戸の上で、笑顔を浮かべたりして。おれはどこまでも残酷なやつだった。ついこのあいだまでは、「おれはもう瀬戸を泣かせたりしないぞ…!」なんて格好つけたことちょっとでも考えたりしたのに。結局このありさま。

「……う、ぅっ、く、…」
「じゃあここで生着替えしてもらおうかな。はい、これ」

おれと瀬戸のあいだにかなりの温度差があるが、この際気にしない。
泣きじゃくる瀬戸を起こし、ベッドのそばに立つよう命令。水着を差し出すと、震える手で受け取った。

泣きながら、おずおずと服を脱いでいく。いま気付いたが、自分で脱がせるのは初めてだった。なかなかそそる。

「う、…っ、っ、」
「……」

全裸になったあとも、まだ血と涙が止まらない様子だった。手で顔を擦る姿を見てたら、すこし可哀想になってきて、ティッシュで拭いてあげた。

「大丈夫?ごめん、ちょっと乱暴しすぎちゃったね……」
「っ、う……」

涙に揺れる目で、おれを見上げた。何かを訴えかけるような目だ。

「ゆっくり着替えていいよ。ちゃんと見ててあげるから」

ここまで来て、やめさせるわけもなく、ベッドに腰掛けて生着替えの見学を再開。「もういいよ」って言ってくれることを期待しただろう瀬戸は、見るからに落ち込んだ様子だった。

どうしたって着なきゃだめだと、諦めたようで、片足を水着に通す。そしてもう片方も。丸見えだった瀬戸の大事な部分が、紺色のするするとした素材に覆われていく。さらに両腕も通すと、薄っぺらな胸板が見えなくなって、スクール水着姿の瀬戸がそこに現れた。

「…っ……」

ぎゅっと固く閉じた瞼からにじむのは、相変わらず涙。顔は目元の色と同じく赤く染まっている。恥ずかしくてたまらないようだ。
おれはというと、そんな極上の瀬戸を前に、「おお……」と感嘆の声を上げるのみ。なんかもう、それ以外出てこなかった。

「……」
(やっべえ、まじやばい)

瀬戸と、スク水の相性がこんなに良かったなんて。
まさに奇跡のコラボレーションだ。

「な、なあっ、瀬戸、ちょっとそのまま待ってて、動いちゃだめだよ!」

念押ししてから、寝室を出て目的のものを手に再び戻る。

「……、…っ!な、何、何してんだよっ!」

すっ飛んできたおれの行動に、瀬戸が慌てて身体を隠す。その場にしゃがみ込んでしまった。

「あっ、こら、そのままでって言ったじゃん!早く立って!」
「や、…っ、」

瀬戸の両脇を支えて、立ち上がらせる。
いやいやと、頭を振って拒否する。なんとまあかわいいこと。

「一枚だけだから……じっとしててよ」
「う、うぅ……」

そう。何を取ってきたかといえば、スマートフォン。この奇跡の瀬戸を写真に収めておかなくては。
パシャ、という撮影音を聞いてまた瀬戸が泣き出した。ばっちり撮れた。これ待ち受け決定。

「ああっ、ごめんね、もう終わったよ、もう撮らないから!ね?」
「っ、…う、ぅ、…っこの、変態…っ」

「さいあくだ」と涙混じりにつぶやく声を聞いたあと、水着姿の瀬戸をベッドに倒した。

「いや、まじですごいね。想像以上にエロいわ……」
「……っ」
「痛いことはもうしないけどさ、今日寝らんないかもしれないから、ごめんね」

興奮しすぎて早口になる。瀬戸が何かを言う前に、唇を覆った。無遠慮に舌を押し入れる。「んう」と、小さな啼き声。瀬戸の舌が絡まって、いやらしい音が部屋に響く。この部屋はいま、熱気で溢れ返ってる。互いの唾液で糸を引きながら、唇を離すと、ふやけた顔した瀬戸がいた。

「もう。瀬戸、その顔エロすぎ」
「…っ、…」
「てか、水着スベスベしてて気持ちいーね」

肌が覆われた部分を撫でる。
おれの指先が、乳首の上を掠めたとき、ぴく、と小さく身体が揺れた。

「乳首いいの?」
「う、…っ…」
「この上から舐めてあげようか」
「な…、っ、あ!や、やめ…っ、」

水着の上から舌を這わす。舌先で、乳首こりこりと刺激してやる。全体を舐め回すことも忘れずに。
水着がおれの唾液で濡れて、そこだけ色が変わる。乳首が水着を押し上げるように、つんと尖っている。

「…っあ、…や、や…ぁうっ」

困惑した表情の瀬戸は、最高にいやらしい。両方の乳首を舌と指で同時に愛撫したら、気持ちよさそうに喘いでくれた。
そろそろ直で触れたくなって、水着を肩から半分ずらす。もぞ、と恥ずかしそうに身体をよじる瀬戸。こんな薄い布でも、脱がされるとやっぱり恥ずかしくなるものなのか。
水着から見え隠れする乳首はぷっくりと膨らんで色づいていた。

「やっぱり勃ってる、瀬戸の乳首。やらしーなあ」
「…っ、み、みるな…」
「もういまさらでしょ?」
「っ、あ!あ、っう…っうぅ、」

直接、舌で触れたらより高い声が上がる。この様子だと、下も相当大変なことになってるんだろう。ちらっと盗み見。
そこは、わかりやすいくらいにしっかりと勃起してる。しかも、水着まで濡らして。淫乱な瀬戸。

「……乳首だけじゃ物足りないみたいだから、こっちも触ってあげないとね」

水着の股の部分を、ぐいっとずらせば濡れた瀬戸のペニスが顔を覗かせる。
とてつもなくエロい光景だ。

「や!や、っやめろ、みるな…っや、ん!んぶ、…っ」
「ちょっとうるさいから、黙っててね」
「…っん、んん、っんぅ!」

片手で騒ぐ口を塞ぐ。もう一方の手は、ペニスに。いやらしく濡れた先端を、親指で刺激したら、敏感なまでに反応した。もっと乱れてほしくて、勃ちあがったそれを上下に擦ってみる。

「ん、っふ…ぅうっ、んん……」

半泣き状態の瀬戸の声。嫌悪感だけではない何かが混ざった、喘ぎ。
この声と反応からして、瀬戸がいま、感じているかいないかなんてすぐにわかる。

「今日は先に手でイかせてあげよう」
「んっ!ん、んぅうっ、ん!んっ」

ぐちゅぐちゅ、ごしごしと絶頂に導くように刺激を強める。相変わらず髪を振り乱して、いやいやする瀬戸の様子はたまらない。しかも今日はスク水姿。やばい。いまおれまでイキかけた。
先っぽがよく感じるのは知っていたから、そこばかりを重点的に愛撫する。

「んんぅっ!う、ぅうっ……ん、んっ!」

耐えきれなくなった瀬戸は甲高い声をあげ、幾らも経たないうちに、おれの手のなかで白濁液を放った。飛び散った精液が水着にもかかって、さらにエロさ倍増。
口を覆っていた手も離すと、瀬戸の涎でベタベタになっていた。まったく。なんていやらしいんだ、このペットは。


「……ん、ん、は…あ、…」
「いっぱい出たね。気持ちよかった?」
「…っ……」

全身を震わせながら、呼吸はまだ荒かった。潤んだ目元を隠すように枕に顔を押し付ける。
このまま、口で奉仕させようか、狭くて気持ちいい穴で奉仕してもらおうか悩むところだ。

「……うーん、どうしようかな」

手に付着した精液を舐めとる。苦いけど、これが瀬戸のものだと思うと、喜んで飲み干せそうだ。瀬戸の様子をうかがう。快感の余韻はようやく収まったようだ。次は何をされるのかと、恐る恐るおれを見上げている。

「瀬戸はどっちがいい?」
「……?」
「お尻いじってほしい?それとも、おれの舐めたい?」

今日は特別に選ばせてあげる、と決定権を瀬戸に託す。困り果てた顔の瀬戸。
「どっちもいや」なんて言えないことは、重々承知だろう。水着を半分脱がされた、いやらしい格好のままなかなか答えられないでいる。
ああ、いまのこの絶景、写メ撮りたい。でも、さっき一枚だけって約束したからなあ。いま撮ったりしたら、また泣くだろうな。しょうがない、我慢だ。

「…、っ、……」

写真を撮らなくてもすでに泣きそうな顔してる。どれだけ迷ってるんだ。おれもそんなに待てないぞ。なんたって、さっきから瀬戸の痴態を見せつけられて、こっちも大変なことになっているんだから。

「おーい、瀬戸ー?」

どっちにするんだよー、と痺れを切らしたように聞くと、固く目を閉じ、小声でこう言った。


「……、おまえの、好きにしろよ…」


えらそうな口調のわりには、ずいぶん弱々しい声だった。

「……」
(す、好きにしろって……)

逆に困るんですけど……!

とんでもない誘い文句に、いろんなところが暴発しそうなおれ。
本来なら、このままおれのモノ突っ込んでいい場面だ。けど、今日は違う。
改めて確認しておくが、今日はスク水姿の瀬戸に「あれこれ言わせる」のが最大の目的だ。危うく忘れるところだった。瀬戸の口から直々に「好きにしていい」というお許しが出たので、遠慮なくそうさせてもらう。

「好きに、かあ。じゃあ、今日は、いっぱいおねだりしてもらおうかなあ」
「……」
「いま、瀬戸が一番触ってほしいトコ、やらしくおねだりしてみて?」

おれはこれでもかというほどの、笑顔だった。対して、涙目の瀬戸。肉食の獣に命を狙われた小動物みたいな、そんな顔。

「っ、…っ、」
「瀬戸がだいすきな場所、あるでしょ?いつもおれに出し入れされて、あんあん言って感じてるトコ」
「…っ…」

この表情なら、一日中、眺めてられる。
ぜひ瀬戸には24時間、この顔でいてほしいくらいだ。
穴が空くんじゃないかってほど、凝視する。瀬戸の震える唇がわなわなと開いた。

「……っ、…り、…」
「んー?聞こえないなー」
「お、…おしり、…触って…ほし…っ」

まだだ。これじゃあまだ足りない。

「うん、お尻の、何?」
「……っ、あな…」
「うんうん。ケツ穴ね。だいすきだもんね?」
「…っ」
「ね?」
「……、うん……」


あの瀬戸が「うん」って言った。
かわいすぎてぶっ倒れそうだ。
この調子でどんどんいこうと思う。

「じゃあ、だいすきなケツ穴触ってあげるから、ちゃんとおねだりしようか」


『陽太くんのおチンポで、瑞樹のお尻の穴、ぐちょぐちょになるまで犯してください』


次の台詞を、耳元で囁く。
瀬戸が表情をなくして、涙する。
何度か瞬きをしたあと、意を決したように、途切れ途切れで、それを復唱した。

今日一番、いや、いままでで一番、淫らでかわいい瀬戸の姿だった。



水着はわざと全部脱がさなかった。
全裸の瀬戸とはいつでもやれるから、今日はあえて着たまま致すことにした。
尻穴がよく見えるように、股の部分の布をずらす。大きく開かせた大腿に力が入る。愛用のローションをいつものごとく、大量にぶっかけて、中指と薬指でピストン運動開始。

「う、ぅんっ、あっ、あ…っあぅ、っ!」

すっかり性器と化した、瀬戸の尻穴からは、ぐぷぐぷと泡立ったような音がする。奥の、瀬戸がもっとも感じる場所を指先が掠めたとき、一層かわいい声で啼いてくれた。

「瀬戸、指以外のやつ欲しくなったらちゃんと言うんだよー」
「…っん、ぅ、あぁっ、あ…」

今日は瀬戸が欲しいというまでは挿入しないつもりだ。まだ指での愛撫を開始して間もないが、瀬戸はもはや我慢できないみたいな表情で喘いでいる。
いやらしいおねだりがまた聞けるのも、時間の問題だろうな。

「っ、あ、っ、うぅ、…も、もう……」
「『もう』?」
「ほ、ほし…い…っ」
「なにが」
「……っ、ち、チンポ、陽太く、…ので、おれの、穴、犯して…、…っ」

写メじゃなくて、動画撮っとけばよかったなあと後悔。
けど、もういまはそんなことしてる余裕もない。瀬戸からのおねだりを前に、おれのモノは、もうバキバキのギンギン状態。

「まったく……いつのまにそんな淫乱になっちゃったのかなあ。瑞樹は……」
「……んぁ…っ、あ……」

もうおれの声など耳に入っていないようだ。勃起したペニスの先端をくちゅくちゅと擦り付けただけで、瀬戸はだらしなく開いた口から涎まで垂らしてる。

「…あっ、あ……ん、」

早く欲しい、とでも言うように、腰が揺れる。きっともう理性すらなくなって、無意識でやってるんだろう。おれと同じように、瀬戸も、おかしなスイッチが入ってしまったのかもしれない。

「そんなに待てないの?しょうがないなあ……じゃあ一気に入れるよ…っ」

待てないのは、おれの方も同じだった。

「っ!ひあっ、あぁあっ!あ、っんん!」


ずぷぷっと、何の抵抗もなく、一気に奥までぶち込む。
指とは比べものにならない質量でもって、敏感になった中を抉られて、瀬戸のペニスからはまた白い飛沫が噴射。

「んっ…ちょ、瀬戸、入れただけでイッちゃったの?!」

尻穴のなかは、きゅうきゅうとかなりの締め付け具合。危うくつられてイキかけた。

「んあ、はぁっ、や……う、ぅう…」
「ほんとに……どんだけやらしい身体してんの…」

イッてしまった衝撃と、快感の波に飲まれて、瀬戸が泣き出す。涙を拭ってやると、まるで猫みたいにすりすりと手に頬を摺り寄せてきた。

「……瀬戸、もう動くよ?」
「ん、……」

こく、と一度だけ頷いたのを合図に、挿入したペニスを浅いところまで引き抜く。それから、また一思いに奥を突き上げる。瀬戸の尻穴を余すことなく犯してやった。

「あ、あ、っあ…ぁんっ、あ、は…う、ぅんんっ!」
「瀬戸、気持ちいい?」
「ん、ん、…き、もち…いっ、あっ、あ!」
「よかった、おれもめちゃくちゃ気持ちいいよ。瀬戸んなか、最高……」

おれに組み敷かれて淫らに喘ぐ瀬戸。
紺色の水着は、いつしか白く染まりつつあった。

「は、っ、瀬戸、そろそろ、出すよ…っ、どこにかけて欲しい?」
「…あっ、ん、んん、な、なか、っ中に、出して…っ」

本能のままねだる瀬戸が、おれにしがみついてくる。尻穴がさらにうねうねと、精液を欲しがるように蠢きだす。
それに応えるように強く腰を打ち付ける。いやらしい粘着質な音と、二人の荒い息遣い。興奮に包まれた部屋。すべてが、おれたちを高まらせる。

「んんぅ、ぁんっ、あ、ぁ、……よ、陽太……」

首に手を回してしがみつく瀬戸が、おれの耳元で名前を呼んだ。
その瞬間、溜まりに溜まったおれの精液が一気に、なかでぶちまけられた。
中出しの衝撃に、三度目の射精をしたあと、瀬戸はぷっつりと意識を失った。


「…はあ、はあ……」

燃えた。とにかく燃えまくった。

一度で萎えなかったおれはそのあと、失神した瀬戸を数回犯して、勝手に中出し。どろどろになった水着姿の瀬戸があまりにエロかったので、心のなかで謝罪しつつもう一枚だけ写真を撮らせていただいた。

「……ごめんね、瀬戸」


とりあえず、スク水プレイ、最高でした。




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