「柳君、近いよ。」

俺が小さく呟くと、彼は慌てて目の前で手をぱたぱたと振った。そしてすみません、と謝る。別に謝るようなことじゃないし、俺はそんなに気にしてなんか無いのだけれど。言い方が悪かったかな、そう思ってなんだか俺まで謝って。って、これじゃあ先に進まない。だから勇気を出して理由を聞けば、ゴミがついているように見えたらしい。コンタクトも、眼鏡もしていない彼の視力は相当あてにならないのだけれど。せっかく気付いてそうしてくれようとしたのだから、俺は彼に任せることにした。

(柳君の睫毛は長い。肌も綺麗だ。まるで女の子のようだな。)

こんなことを口に出してしまえば、彼に嫌がられてしまうかもしれない。そう思うから形にこそはしないけれど、彼の美しさは本物だ。強く目を惹かれ、内面を知っているからこそに余計にそうなる。不思議なことに。俺は惹きつけられて、ただじっと見つめて居た。彼のことをただじっと。

「……仙石くん、近い、です。」

はっと気付けば、目と鼻の先に彼の姿があった。何時の間にかこんなに近付いてたのか。じゃなくて、この距離がくすぐったくも心地好い。出来ることならもっと、だなんて。

「え、」
「あれ…?」

気付いたら、これ以上は無いと言う距離まで近付いていて、驚いたのは他でもない俺自身だった。






何時の間にかに











>仙柳とかどうですか?(リハビリリクエスト)

100228




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