きっとそれは遺伝子レベルでの話だ。染色体にそうであるようにと埋め込まれたかのように、内面的根本的どこかで私はあの人を求めている。根拠なんてない。根拠なんてない、のだけれども。そう確かに感じる以上はきっとそうであるのだろう。そうであるとしか、考えられないのだから。

どこかどこか遠い昔の近い場所で私はあの人に出会っている。求めて求めて、途絶えた。けれども止めることなど出来なかったのだ。だからそっと埋め込んだ。あの人への思いを一つだけ染色体の中へと。

こんな話をしても信じてもらえるかなんて分からないけれども。きっと信じてくれる。だって私の中に存在するあなたはあまりにも優しく笑うから。


「私ね、あなたのこと生まれるよりもずっと前から愛しているの。」





六番目











091023




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -