寒い。そう言ったら、それがなんだと返された。あーあ、自分はそうやって完全に防寒対策しちゃってるからって隣を歩く俺のことはどうでも良いだなんて。鬼だ。そう言ったら、君がそう思うのならそうかもしれませんだって。

「違う。守護者だ。」
「ええ、そうですけれども。」

ぽつりと俺が漏らした言葉にも彼は律儀に返す。でも今それがどうしたと言うのですか、なんてまあどうともしないのだけれども。守護者としてボスの俺にどうしろとか言うつもりはないし、なんかそんなのって不本意。だから俺は間をおいて、考える。俺はどうしたい?どうしたいってそんなの決まってる。

「全く君は、回り道が過ぎますよ。」
「お前に言われたくない。」
「おや、僕はいつも素直ですがね。」

見えないように隠して。でも主張するように見せつけて。どちらから、なんて分からないけど絡まった指先が暖かい。そんなとある冬の帰り道を、俺たちは回り道を繰り返しながら二人歩き続けた。





君と歩く回り道










091010




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