会わなくなってからどれだけの時が経っただろうか。何日、何週間、何ヶ月?彼を思い見つめる空は何度も回った。けれど、未だ彼は現れない。

(君と結ぶ約束は、いつも確かな真実だったと言うのに。)

彼と交わした約束は必ず守られた。何があろうともそれだけはいつも必ずだ。ただ少し彼が時間にルーズだと言うだけで、守られないことはただの一度も無かったのだ。

(「絶対お前のもとに帰ってくるから。」)

その言葉はもう、時効なのだろうか?確かに彼は僕に言ったというのに。今までもこれからも僕はその言葉を信じ続けるつもりだと、いうのに。

ああ、こんなことなら恋などしなければ良かったと思う。君と出会い気付かされた。君が居ないだけでこんなにも寂しさでいっぱいになるのなら、恋などすべきではなかったのだ。

「シリウス、」

僕の言葉に応える彼は、もう居ない。どんなに大声で彼の名を叫んでも、どんなに小声で彼の名を呟いても、彼に届かないのなら呼ぶ必要などは無いじゃないか。けれど馬鹿な僕は彼を呼ぶことしか出来ないのだ。


「シリウス、」


水が無ければ生きていけない。水を与えられない魚になど、生きる希望はないというのに。





ロンリーフィッシュ










090727





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