そよそよと吹く風は涼しげで、ぽかぽかと射す陽射しには眠気を誘われる。こういう日を穏やかな昼下がりと呼ぶに相応しい。そんなことを考える俺は、只今二人サボタージュ。

「ずっとこのままが良いな。」
「俺は嫌だ。」

嬉しそうに目を細め、そう口にする彼に俺は即座に否定の言葉を返す。すると、なんでなんで、なんて甘えた声で彼は問うけれど答えは簡単。膝に頭を乗せられ続ける奴の気持ちになってみろ、と言うことだ。

「お前の頭を乗せている俺の気持ちにもなれ。」
「何、いやなの?」

俺はわざと少し怒るようにして彼に言うが、それに対して返ってきたのは先ほどとは違って妖艶な雰囲気を漂わせた笑み。全く、いつも彼には一枚上をいかれる。そんなことを思い諦めて笑えば、いきなり伸びてきた手に頭をつかまれる。そしてぐっと引き寄せられたかと思うと唇と唇が触れるだけ。そんな軽いキスをされた。(ああ、全く反則だ。そんなのってずるくはないか。)そう思って彼を見つめれば艶めかしく濡らした唇を一度軽く上げてから、瞳を閉じた。

「……まさか、寝ようとはしてないよな。ジェームズ?」
「僕の体は君から離れたくないって言ってるみたいだ。」

俺の質問に彼は答えにもならないような言葉を返すだけ。だからああもう駄目だ。なんて思いながらも、再び重ねられる唇に流されないなんてことが俺に出来る訳がないのだ。





所詮君、溺愛中










090720





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