「世界中の全ての人が、君と出会えたなら良かったのに。」


そう僕が口にすると、君はどうしてかと笑ったね。私なんかと出会ってどうするの、意味なんかないわ、と。でも、そんなことはないよ。君と出会うこと、そこに意味は確かに存在するんだ。

人脈とか、名声とか。そんな言葉に出来る確かなものではないけれど、言葉に出来ないからこそそれは確かだ。僕だけじゃないよ。君と出会うことで、何人が救われたか。君と出会うことで、何人が幸福を見たか。僕が指折り歩いただけで、もういっぱいだ。君は分からないみたいだけれど、でも、分からないこそなのかもしれないね。


「とりあえずね、僕はリリーに会えて良かったと思っている。」
「あら、リーマスにそう言ってもらえるなんて嬉しい。私もよ。」


にこっと彼女が笑えば、また、零れるね。それは人によっては幸福で恋慕で慈しみで憧憬で、何よりも尊きものであるだろう。僕にとっても、同じだ。だから僕は大きな声で呟く。ありがとう、と。届きますように、届きませんように。そんな矛盾した思いを孕ませながら。



(世界中全ての人に代わって、君に出会えた幸運と幸福に感謝を。)






ありがとう











>百合ちゃんと狼くんの絡み(リハビリリクエスト)

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