「シリウス」
「ん、」

二人きりの談話室。殆どの者が寝静まったであろう時間に俺はジェームズと次の悪戯について考えていた。普段はこんな夜更けの時間は使わないのだが、今日はたまたま。話が盛り上がり始めた時間がいつもより遅くて、でもせっかくならまとめてしまおうということになったのだ。そして、今はそれも終わりベッドへと向かおうとしたところ。そんなとき不意に名前を呼ばれ唇を重ねられた。

(後、何回。こうしてキス出来るだろうか。)

とろけるように甘いキス。とは違うけれど。唇に彼を感じながら心地好い思いに浸りながら、俺はそんなことを考えてしまう。彼に恋人が居るのは承知の上で成り立っている関係だから。だから、後何回。何度この行為が許され、何度彼は俺にこうして愛を向けてくれるのか。口にすることは出来ない疑問は胸に秘め、俺はただただ彼を求め唇を重ねた。そしてそれが離れたとき彼はそっと吹き込むように俺の耳元で囁く。そんな彼の偶然とも気まぐれともとれる一言にいとも簡単に舞い上がってしまう俺は、案外お手軽なやつなのだろう。そうは分かっていても嬉しくて、そうは分かっていても無理を願ってしまうのだ。





何度でも何度でも
(そう誓うって言ったら、どうする?)










091018





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