なんてはかなくせつないものなのだろうかと、思った。あまりにも、弱く脆い。結局同じなのだ。少しばかり変わった力を持とうとも何も変わらない。元々自らを過大に評価し優越に浸っていたと言う訳ではないが、この手と力で、未来なんて変えられると馬鹿みたいに信じていたのに。相手も同じ力を持つと知らなかったわけではないのに、知らなかったわけではないからこそ正真正銘の馬鹿なのだと思う。
「守ることの出来なかった俺を、お前はなんて思うかな。」
いつだって愛は勝つ。勝利は正義の名の下に。なんてありふれたヒーロードラマのようなことを思っていた訳ではないけれど、いつだって絶対だったのだ。俺が居て彼が居て、それだけはどうしたって変えることなど出来ないのだと思っていた。
(お前を最期まで見送ることは出来なかった。今も花を置くことすらが俺には出来ない。そんな俺をお前は、また笑顔で受け入れてくれるかな?)
「ジェームズ、」
無力さを噛み締めて今日も君を思う
091007