幸せ過ぎて死ねるなんて口にする奴が居るけれど、死ねるもんなら死んでみろって思った。まさに幸せの絶頂。そんなときに死んでどうすると言うのだろうか。悲しくないか。悔しくないか。馬鹿の考えることじゃないかなんて思っていたんだ。


小さく名を口に出せば、囁くように彼は答える。そこに甘い言葉は何も無かった。流れ、と言ってしまえば流れでしかない。だってそこには本来踏むべきはずのステップは一切無かったのだから。


でも、悪くない。これを幸せと言うのなら、この幸せに浸ったままに終わりを迎えるなんて、それこそが最大の幸福だ。いつか終わりがくると分かっているのなら、終わらない内に終わらせてしまう方がよっぽど良い。終わりなんて知らないまま幸せの中に死ねるなら死んでやりたい。ああ、そうだ。


「いっそお前の手で、」






好い夢で終わらせて











091003





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