変わったのはきっと世界なんかじゃない。世界なんて大きな存在じゃなく、ちっぽけな僕と言う存在の彼への見解だ。ずっと一緒に隣で歩いては来ていたけれど、まさかこんな感情を抱くことになるなんて。この感情が何なのか分からないほどに僕は幼くは無いけれど、この感情をどうして良いかが分かるほどに僕は大人びても居なかった。だからじっと彼を見つめては、どうすることも出来ないままで手持ち無沙汰に杖を回す。しかし不意にこちらを見て不思議そうにしながらも微笑む彼を見ていれば、このままもそろそろ限界だって思った。
「ねぇ、シリウス。」
(、なんて言ったら君は笑うだろうか。笑って欲しいと僕は思うよ。あの日と何も変わらないまま純粋無垢な笑みを僕に向けて欲しいんだ。)
「きみがすきだ。」
リミット
090921