2011/12/01 23:11

甘いなあ、と思う。なんとなく、すべてが、どうしようもなく。口にすれば、彼は訳が分からないと首を傾げる。そんな些細な動作も、全部、全部。「跡部がおるからやで」そうやって笑いかければ、訝しげな顔は満足そうな微笑むに変わるから。そんな、全て。甘い。砂糖みたいにどろどろに甘く、愛おしい。(忍跡)


手を伸ばさなくても、届くぐらい近い。手を伸ばしても、掴めないぐらい遠い。俺と千歳との距離は、それぐらい。離れることはあっても、縮むことは無い。そう思うのは、絶対だから。それが確実な、未来だから。ああ、嫌やなあ。想像するだけでこみ上げる。それぐらいどうしようもなく、好きなんて、嫌。(ちとくら)


「白石」名前を呼べば、彼の綺麗な瞳はきちんと俺を捉えた。いつだって、そう。誰にだって、そうだった。だから嬉しい以上に後者の気持ちが先行してしまう。そのまま無理矢理に腕の中へとおさめれば、溜め息混じりの笑い声。「甘えたさんなん?」なんて。そんな、可愛いものじゃなくて、ごめんなさい。(ちとくら)






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