今日も平和です | ナノ
細く柔らかい金色の髪にキスを落とす。何度も、何度も。
それから小さなからだをぎゅっと抱き締めると、彼女は身をよじって笑った。
「くすぐったいよ、フィディオおにいちゃん」
淡いグリーンのガラス玉のような瞳が、俺を捉えた。キラキラなそれにいつだって吸い込まれてしまいそうだ。
「だって、ルシェが可愛くて仕方ないんだ」
そう言うと、ルシェはまた笑った。
まるで天使のように。いや、本当に天使なんじゃないか?
それくらい、愛らしくて優しくて柔らかくていとおしい。
可愛い可愛い、俺の大切な小さな恋人。
こんな可愛い子がこの地球上に生まれた奇跡に感謝したい。
ルシェを形成するすべての細胞たちに敬意を表したい。
世の中のどんな美人が束になろうと、絶対にルシェには敵わない。
「本当に可愛いなぁ、ルシェなら目にいれても痛くないよ」
「もう、おにいちゃんたら」
「ルシェが大きくなるのが今から楽しみだよ、そしたらいろいろ出来るのに」
「いろいろってなあに?」
「ルシェがお兄ちゃんくらいになったら、教えてあげるからね!手取り足取り」
「うん!あーぁ、わたしもはやく大きくなりたいなぁ」
「でもルシェは小さいままで充分可愛いから俺としては問題ないんだけど」
「えへへ、ありがとうおにいちゃん」
「ああもう本当に可愛い、食べちゃいたい」
「アンジェロ…フィディオが気持ち悪いんだが」
「ほっとこ、ブラージ。いつものことじゃない」
「あの噛み合ってそうで微妙に噛み合ってない会話も恐い」
「ルシェがかわいそうだよね」
「…あいつ、そのうち捕まらないか結構本気で心配だよ」
「僕もだよ」
「あ、ほっぺにキスした」
「口にしようとしたら顔面にこのボール蹴りつけちゃおうよ」
(どうしようアンジェロが恐い)