俺には幼馴染みがおる
名前は出雲椿
四天宝寺のバド部のエースらしい
悪くない運動神経に磨きがかかったのだろう

ついつい言い合ってしまうことはあるけど、そんなの挨拶変わりの漫才と一緒や

明るく、ちょっと素直じゃないが愛嬌のある彼女は、男女共に人気があった




#2 告白





「ユウくんv」
「小春ーvどこいっとたんや、探したで?」
「ちょっとトイレv」


金色小春は俺の相棒や
ダブルスパートナーでもありながらお笑いも一緒にやってる

オサムちゃんの指示で学校では一緒におる


「ユウくん、これ1組の浅田さんから預かってきたん」
「なん?手紙?」
「ラブレターやない?」
「ラ…ラ…ラブレター!?」
「なんやねん、そないして驚くことないやろ?ユウくんこれでもモテるんやし」
「い、いや…、俺には小春がおるし」
「アホなこといわんといて」
「小春〜…」


小春は開きかけた手紙をひょいと取り、読み聞かせてくれた

「今日の昼休みに四天宝寺池で待ってるって書いてあるで?」
「いかなあかん?」
「あかん」
「しゃーないなぁ…」
「ユウくん、ファイトv」



************



「斎木さん、椿知らん?」
「椿?お昼食べ終わったらすぐどっか行ってしもうたで」
「おおきに」


今日の昼休みは3ー2の保健委員が当番の日で保健室で待機しなければならない

保健室にいったけど椿が居なかったから、椿の親友の斎木さんに居場所を聞いたが彼女もしらなかった



あいつ逃げおったな…




********


昼休みの当番をサボって四天宝寺池がある、あまり人気のない場所に行く
図書室とかに行こうと思ったけど、図書室だと白石に見つかりそうだし


何でサボったからって?

白石が当番で保健室にいるときやたらと仮病を使う女子が多いんや

それに加え、なんでお前がいるんだって顔をされ睨まれるからたまったもんじゃないし


そもそも保健委員なんてなる気なかったのに、委員会を決めるときに白石が「出雲さんがやってくれるみたいや、ほな俺と出雲さんで決定やねん」っと言って勝手に決められてしまった

その時、教室中の時が止まったのは言うまでもない


「げ…」


どれくらい時間が経ったかと思い携帯を開くと
画面に『着信23件』と表示され、すべてに白石蔵ノ介と書いてある


保健室に顔を出した方がよさそうかも…


「しゃあない、戻るか」


「好きなんやけど!ウチと付き合ってくれへん?」

「げ、告白?」


ちょっと遠くから覗くと台詞通り告白の真っ最中だった


あれは1組の浅田さん?
性格も良くて、可愛いいと評判や

あんな良いコに告白されてる幸福者は誰やねん


よく見ると見慣れたヘアバンドがいた


「ユウジ…?」


やっぱユウジだ
そっか、ユウジあれでも白石や謙也に次いでモテるもんね…



************



「おおきに、でも…ごめんな…」
「そ…か…でもなんとなくは分かってたからええんや…一氏くんは好きな人いるんやろ?」
「え…そないなこと…」
「嘘つかんといて、出雲さんやろ?」
「そないなわけ…!椿は幼なじみっちゅーか、あいつのこと好きになるならとっくに好きになってるっちゅーか…」
「もう、嘘つかんといて、ますますフラれたウチが惨めになるやんか」
「浅田さんには敵わんなぁ…」
「一氏くんが分かりや
すすぎるんや、まあウチも一氏くんのこと好きやったから、よく見てたしな。素直にならなきゃあかんよ?」


にこって笑った浅田さんには敵わなかった

俺が椿の気を引くために小春って騒いでるのもお見通しか…


どないしたらええんか…






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