テニス部のマネージャーになるということが幹部内では決まった
あとは他の部員が納得するかどうか
とりあえず今日は部活は休みなので明日顔合わせとなった
「「ただいまー」」
「裕次郎、椿ちゃんおかえり。もうお店閉めるから先に着替えてきなさい」
酒屋の店じまいをするおばちゃん
とりあえず言われた通り着替えようと思い部屋に入った
鞄から取り出したか携帯が振るえていた
何事かと思い画面を見ると凛からの電話だった
「もしもし?」
『椿、いきなり電話してわっさん。今大丈夫ば?』
「大丈夫だよ。裕次郎もいないし」
『なら良かったさ。マネージャーの話なんだけどよぉ』
「なに?」
『やー、しんけん大丈夫だば?わんは椿がマネージャーやってくれるの嬉しいんだけどよ、監督のハゲ結構理不尽なこと言ってくるやし。それにわったーは椿のこと知ってるから大丈夫だけど、他の部員にはやまとんちゅー嫌いなやつら多いば。わんはやーに辛い思いさせたくないやし』
「心配してくれてるの?」
『まあな』
「凛、ありがとうね。私なら大丈夫だよ。急な話だったけどやるって決めたし」
『良かった。まあ、なんかあったらわんに言う、約束さ』
「うんっ」
『それだけ、じゃあな』
「ばいばい」
突然の凛からの電話で驚いたけど正直嬉しかった
私は私なりのやり方で皆と打ち解けられたらと思う
「椿ー、ご飯だから降りてこいってさー」
「分かった、今行くー」
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「椿ちゃん、裕次郎と同じクラスだったんだって?」
「うん、あとテニス部のマネージャーやることになったの」
「えー!?テニス部って裕兄が大変っていつも言ってるば」
「監督が理不尽なことばっか言うんさ」
「でも私なりに頑張るよ」
「椿ちゃん、ぬーがあったらあたしに言ってね!裕兄より絶対役に立つから」
「ありがとう、結衣子ちゃん」
「わんのが役に立つしー!」
「裕兄じゃ頼りないし」
きっぱり言う結衣子ちゃんに裕次郎は反撃出来なかった
男が女に口喧嘩では勝てないってよくいうじゃない?
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次の日裕次郎が寝坊をしたので私は比嘉中の2年生になった結衣子ちゃんと一緒に登校をした
結衣子ちゃんは明るくて笑顔がすっごく可愛い
ちょっと毒舌だが、まあそれだけ素直だということだろう
可愛さとテニス部の甲斐裕次郎の妹ということだけあって有名だった
だから昨日程ではないが多少チラチラみられた結衣子ちゃんに早乙女先生について色々聞いた
最初に早乙女晴美って名前を聞いた時、すっごく名前美人じゃないと言ったら、結衣子ちゃんが笑ながら、ただのビール腹のハゲだよって言ってた
結衣子ちゃんとは下駄箱で別れ、私は教室へと向かった
教室には携帯をいじっている凛の姿があった
「凛、おはよう」
「おー、椿か。あり?裕次郎は一緒じゃないのさ?」
「裕次郎は私が家出るときまだ寝てたよ」
「ったく、あにひゃーは。どれだけ遅刻すりゃ気がすむのか。注意するわんの身にもなってほしいさ」
「凛、風紀委員だもんね」
風紀委員が金髪で良いのかという所はつっこまないでおこう
凛と話をしていると教室に永四郎が入ってきた
永四郎は隣の1組だったはず
「あれ、永四郎だ。教室間違えたのかな?」
「じゅんに?永四郎も意外とおっちょこちょいあんに」
「誰がおっちょこちょいですか?」
永四郎の一睨みがすっごく怖かった
「甲斐くんはまだ来てないのですか?」
「あにひゃー早速遅刻やし」
「まったく学習しませんね」
「そんなに裕次郎は遅刻常習犯なの?」
「時間通りに来た方が珍しいですね」
「それはひどいや。ところで永四郎、裕次郎に何か用があったの?」
「今日の昼休みにミーティングをやるので部活に集まってください、椿さんと平古場くんも」
「分かったさ」
「了解、裕次郎にも言っとくね」
「お願いします、俺は教室に戻りますから」
「じゃあ後でねー」
それから1時間目が始まるギリギリに裕次郎は着いた
私が家でて直ぐに支度して家を出たらしいが途中で野良猫を見つけ遊んでいたら遅刻したらしい
小学生かよ、と本気で思った
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昼休み
テニス部の部室に行くと2、3年生の部員が20人近くいた
ほとんどが初めて見る顔ばかりであっちも何で此処に私がいるんだと不思議そうな顔をしていた
ミーティングの内容は明日から始まる仮入部期間の話と私の話
「皆さんに紹介します、こちらは新しくマネージャーをやっていただく出雲椿さんです。彼女は4月から比嘉中に転入してきました」
「初めまして、出雲椿です。東京から越してきました。至らない点はあると思いますがよろしくお願いします」
とりあえず笑顔で挨拶をした
何人か頬を赤らめたけどきっと風邪気味なのかな?←鈍感
「東京から来たってじゅんにか?」
「はい」
一人がこれを言い出すと昨日顔合わせしたメンバー以外全員が顔付を変えた
「やまとんちゅーから来たやつか?」
「そんなやつがわったーのマネージャー?」
ざわざわと部室が騒がしくなる
どうやら、昨日凛が言ってた通り本土から来たというのが気にくわないらしい
本土から来たやつが、手出しするんじゃねえよって言いたいのだろう
すこし覚悟はしていたがここまで言われるとは思ってなかった
「なにか言いたいことがある人はこそこそしないで言ってくださいよ」
永四郎の一言に部室が静かになった
そして3年生の人が口を開いた
「主将、わったーはいきなりやまとんちゅーがマネージャーをやるって信じられないさ」
「やまとんちゅーにわったーの練習はついてこれないさ」
「そうさー、きゃーきゃー騒ぐいなぐは邪魔なだけさ」
「わったーは沖縄武術の心得があるさ。やーみたいな柔なヤツはついてこれないやし」
「わったーにはマネージャーいらないやし」
「おい、やったー好き勝手言…「人が黙って聞いてりゃ、がたがたうるせぇなぁ…」
「…椿?」
皆の目が点になっていたが気にしない
裕次郎があちゃーって顔をしていた
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