「おはよー真紘」
「おっはよー!」

下駄箱でスリッパに履きかえながら挨拶したら今日も元気だねー、なんて新しくできた友達に言われてへへって笑い返した。ポジティブと元気だけが取り柄だから、私はこれを貫き通すって決めてるの!ニコニコ笑ってれば楽しいことばっかりだもんね。そうやって中学時代を過ごしてきた。だから自慢じゃないけど、この元気さを好きになってくれる人がいたんだもん。でも私はてっちゃん一筋だったから付き合わなかったけどね。そんなことで私は付き合った経験も無し、キスも無し、という純情ガールなのである。あ、それ以上のこともないよ。
片想いを続けてはや3年!中学一年生の時に好きな先輩に告白してフラれて、ずーっと慰めてくれたのかきっかけで好きがぶわわって広がったんだ。

「何一人でニヤけてんだよ」

ぽん、って頭を叩く、少し低い声。私は「てっちゃん…!」と抱きつこうとしたけど止められた。「おはよ!」っていうと「おはよう」って帰ってきた。温度差すごいけど気にしないもん。

「朝一でお前のアホ面を久々に見たよ」
「そういえばてっちゃんいつも朝練だったもんね」

中学3年になって部活を引退して、そっから一緒に行かなくなったんだよなあ、そういえば。

「ずーっとバレーしてすごいね」
「…お前は幼馴染である俺たちを置いてバスケに走ったけどな」
「えへへ」

一年の時、かっこいい先輩がバスケ部にいるってきいたから、入っちゃったんだよね。そういえばてっちゃん私をバレー部に勧誘してたような気がする。今思えば入ってたらよかったなあ。コートも一緒に使えたかもしれないのに。…いや、使えなかったか。

「なあ、今日部活早めに終わるんだけど、一緒に帰るか?」
「え!うん!帰る!じゃあ研磨も一緒にだよね!?」
「……おう」

少しだけさみしそうだったけど何でかな。折角三人が帰れるちゃんす!私は逃さないぞ。本当は今日友達と一緒にパンケーキ食べに行こうとしたけど、それはまた今度でいいや!

「じゃあ部活終わるまでここで待ってるね!」
「おう」

きゃー!楽しみー!ふふふと笑いがこぼれて、てっちゃんに変な顔されたけど気にしないよ!おはようってクラスの男子に挨拶されたから返して、他のクラスの女子にも挨拶されたから返したら、「忙しいやつだな」っててっちゃんは笑って自分のクラスのほうに行っちゃった。ああ、階がちがうなんて辛いよ!カミサマ!なんであたしたちに年の差という障害をつけたのですか!この恋燃えますよ!

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