何か苦しいなって思ったら、京治に抱きしめられて寝てた。
ええー…。超苦しい。ずりずりと京治から離れて、ごろりと体勢を変えた。これが丁度いいかも。ふー…。
って、え?起きてんの?またすっぽり京治に抱きしめられちゃった。しかも今度は私の両足の間に京治の足が入ってきて、私が京治の足を挟んだ状態になってる。もう…。

「京治ー…苦しいよー」

ぺしぺしと手を叩いた。京治は「んー…」と唸ってまたいっそう私を抱きしめた。…もう。

「ばか京治ーおいこらー窒息死すんぞー」

ようやく京治は手を離してくれて。ほっとしたのも束の間、足をずりっと抜いて私の足にかぶせてきた。まあ足ならいいや…って思ったら、おなかに手が回ってきて、ぐいっと引っ張られた。京治の息が首元にかかる。うっそ、何かゾクゾクしてきたじゃん。急いで体勢を変えて、京治のほうに顔を向ける。うわ、京治の顔近い。寝顔可愛い。京治に気づかれないように、優しく頬にキスをした。きゃーしちゃった。バレたら恥ずかしいからこのまま寝よう。頭を鎖骨あたりに埋めて寝始める。
暫くして眠くなってきたなーと思ったら京治が「んん、」と唸った。何か怖い夢でもみてんのかなーと思ったけど眠いので目を瞑ったまま動かなかったら京治が少し体を後ろにして、私のおでこにキスをした。
…え。えー…。ちょっと待って、嬉しすぎる。何か熱くなってきた。まさかこんな特典があるとは。一緒に寝てよかった…。こんなにぎゅってしくれて少し苦しいけど嬉しいし。今キスしてくれてすっごい嬉しいし。
とか思っていたら私はいつの間にか寝ていた。

「お前俺にくっつきすぎでしょ」
「えー?」

朝、歯磨きをしていたら京治にそう言われた。もしかして寝てるときのことを言ってるのだろうか。

「すみませんけどー、京治君が私にくっついてるんですー。私大好きなのは分かるけどちょっと苦しいでーす」
「はあ?俺が?」
「そうだよ」

覚えてないの?と聞くけど全く見覚えがないらしい。まったく赤葦京治は無意識で私を離さないらしい。嬉しいけど、ね。
歯磨きをし終わって京治にべたーとくっつく。「暑苦しい」と跳ね除けられるけど、そんな京治も好き。

「ほら早く着替えなよ。会社遅れんでしょ」
「もうちょっとー…」
「ばか」

京治はネクタイをきゅっと締めている。うわー、ぎゅってしながらも着替えるのはやめない京治君かっこいー。痺れるー。でももうちょっと私に構ってくれてもいいじゃーん。

「京治すーきー」
「はいはい」
「だいすきー」
「俺も」
「えへへ」

そろそろ良いだろうと手を離して着替えに行く。新社会人っていうのは大変だなあ、全く。でも、恋人とこうやって甘い生活をできているからよしとしようか。

20150910
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