今日は、練習試合があるみたい。わあわあと女子が騒いでたからなのもあるし、岩泉が練習試合があると言っていたからだ。補習もあるので、ちょっとだけ見に行くことにした。
ちょうど試合は終わる直前だった。慌てて見えるところに移動すると、相手の高校のセッターに目が行った。…あ、あ!あの子!
ピー、と笛が鳴った。試合は、青城が勝った。さすがはさすが、岩泉のかっこいいところは見れなかったけど、ユニフォーム姿の岩泉かっこよすぎ…!足!やばい!腕!もうやばすぎて鼻血でる!試合が終わったのもあり、ギャラリーの女子たちが帰っていく。差し入れを渡しに行く子もいたので、あたしもなんとなーく岩泉に会いに行こうかと思ったけど、出しゃばるのはやめといた。
だけど岩泉が近くでみたいという欲が勝ってしまって、ギリギリまで近くにいくと、丁度ネットを片付けてる岩泉と目が合った。嬉しくて手をぶんぶん振ると、びっくりしながらも嬉しそうに手を振ってくれた。そして口パクで何か言おうとしているので、首を傾げると、岩泉はネットを返しにいって、あたしの元までやってきた。

「このあとすぐ終わるから待ってろ」
「…うん、分かった」
「じゃあな」

さりげなくあたしの頭を撫でて帰っていった。きゃ、きゃ〜〜!撫でられちゃった〜!どうしよう、嬉しすぎてにやけが止まらない。それを見ていた女子たちが何あれ?と話していたけどそれも今はどうでもいいぐらい私は無敵だった。だって、一緒に帰れるんだもん!待ってろだって〜!くるくると周っていると、「あの」と声をかけられた。

「はい?」
「あ、あの、すいませんこの前俺にお菓子譲ってくれた…」
「あ、あー!」

そうだ、この子を見てびっくりしたんだった。背が高いから何かしてるのかなとは思ってたけど、まさかバレー部とは思わなかった。久しぶり、というとぺこと頭を下げられた。

「あの、この前のお礼に何かおごらせてください」
「いいよ〜別に」
「いや、俺の気が済まないので」
「じゃあ、片付けとか早く終わらせてくれたら嬉しいかな〜」
「?それでいいんですか」
「うん、岩泉と帰れるしね〜」

もう嬉しさMAXで、つい惚気てしまった。しまった、と思ったら彼は目を見開いてびっくりしていた。

「ま、まさか、岩泉さんの彼女さんで…!?」
「へへへ、そうなんです」

照れるなー、と頭を掻くと、なぜか残念そうに後ずさった。そうですか、と小さく呟いて片付けに帰っていった。なんだったんだろう。


「お前影山と知り合いだったのか?」
「影山って誰?」
「今日話してたやつだよ」
「ああ、前にコンビニで会ったじゃん?それでなんか、ちょっと話してた」
「へえ…」

そういえば影山って聞いたことがある。岩泉はふうん、と若干不機嫌気味。…な、気がする。

「な、なに?あの子話しちゃダメな人だった?」
「いや、ちげえけど…」
「じゃあ、なに?」
「……別に。ただちょっと、びっくりしただけ」
「……」

びっくり、かあ。まあそうだよね、だってあたしとあの子、全く接点なさそうだし。うん。

「まあ、あんま仲良くすんな」
「?わかった」

あの子、嫌われてるのかな…?と思ったけど、岩泉と帰れたのが嬉しすぎて、すっかりそんなことは忘れてしまった。

20160308
頌子様、リクエストありがとうございました!
前に番外編で影山と遭遇した話もあるので、ぜひ探してみてください。
素敵なリクエストありがとうございました!

| 戻る |


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -