そう、あれはよく晴れた日だった。
私は出会ってしまったのだ。
「(うえええ!なに!?なんなのこの動悸は…!)」
目の前にいる、あの目つきの悪い青城の人が子犬を連れているなんて…!
「どうして!どうしてこんなにもキュンとするの!」
「いや声漏れてますよ鳥野のマネさん」
「ふん!潔子さんとお近づきになりたいのなら交換日記から始めてもらいますよコラ!」
「な、なぜそれを…!」
試合の時、わざと潔子さんのほうにボール投げてたの私みたんだから!超敵対視していると、その人は怯んだ。ふん、ただでさえむさ苦しい先輩がたが守っているのにこれ以上近づかれてたまるか。
「それよりっあの、その子犬…どうしたんですか〜!?」
「…飼い主を探してる」
「ええっそうなんですか〜!」
「いやいやなんでそんなオーバーリアクションなの」
「ちょっと黙っててくれますか」
「(理不尽…)」
目つきの悪い青城の人に頼んで子犬を抱かせてもらい、毛並みを撫でていたけど、やっぱりあの目つきの悪い人のほうがいいのか、自分から離れていった。それに悔しく思いながらも、懐いてるんだ…とまたキュンとなった。
「ギャップ萌え…やばい…」
「だ、大丈夫っすか…」
「あれまだいたんですね」
「かなり扱いが酷い!」
もう世界に私とこの人と子犬しかいないつもりでした。と言うと完全にしょぼくれてしまった。流石に他校の人に失礼か、と思い謝ろうとしたら目つきの悪い青城の人がぷっと笑ったので二人は喧嘩みたいになった。
「もうやめてくださいよー、ワンちゃん嫌がりますよ」
「うっ…」
「あっ、電話番号教えてください」
「おいこら!」
サッと携帯を出して電話番号を聞いたけどよくつっこんでくる人に阻止された。俺ならいいよ!と言って来たけどいりません、申し訳ありませんと謝ったらすごいしょぼくれた。
「…今携帯持ってねえ」
「あ、じゃあ電話番号教えるんで!」
「こらこらコラァ!」
行くぞ、と目つきの悪い方の背中を押して、私には手を振って歩いていった。ああ…遠くなっていく…電話番号聞いてないのに…また会えるかな…会えるよね…。
「…あっ」
私まず、名前を聞いてなかった。
20160308
柳葉魚様、リクエストありがとうございました!
京谷が子犬と…なんてギャップ萌えやばいですね笑
素敵なリクエストありがとうございました!
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