「お、おい、お前また手ケガしたのか」
「えー?あー、紙で切っちゃったー」
「おいおい、絆創膏は?」
「ないよ」
「はあ…ちょっと待ってろ」

ごそごそとポケットから出したのは数枚の絆創膏。それをペタッと綺麗に貼ってくれた。馴れてる。

「こんなのさー、すぐ治るよ」
「バカか。ばい菌入るだろ」
「えー、そうかもだけどー」
「次からは絆創膏持ってろよ」
「はーい」

渡された絆創膏をポケットに入れる。本当に過保護だと思う。でも、こんな幼馴染をもてて私は幸せだ。

「じゃあタカ君がケガしたらこの絆創膏貼ってあげるね」
「俺はめったにケガしねーから」
「バレーしてるくせにー?」
「そんなしょっちゅうケガしてたまるか」

ふうん、そうなんだ。タカ君がバレーしてるところあんまり見たことないなあ。今度みてみよーっと。きっと、かっこいいんだろうなあ。

「今日練習みにいくー」
「は、なんで」
「気分」
「…まあ、いいけどよ」
「だからさ、待ってるからさ、一緒に帰ろ」

首をかしげて笑うと、面食らったような顔をして、すぐにため息をついた。「お前なあ」そう言ってぽりぽりと頬を掻くタカ君の顔は、ほんのり赤い。

「いいけどよ、遅くなるぞ」
「いいよー。今日はタカ君ちでご飯食べる予定だったし」
「何時の間に…」
「今日お母さん仕事遅くなるから、タカ君ちで食べなさいって。タカ君のお母さんには了承を得てます」

グ、と親指を立てると、タカ君はため息をついて、「そういうことは早く言え」と頭をわしゃわしゃ撫でられた。わはは、吃驚したでしょう。嬉しいでしょう。にまにまと笑うと、その顔うぜえ、と頬をびよびよと伸ばされた。

「へっへっへ」
「何だよ」
「タカ君嬉しそうだなーって」
「んなっ…なわけねえだろ」
「強がっちゃってー。かわいー」
「おいこら」

頬を強く握られて、さすがの私も痛い。「いたいよ〜」と言うと、ふん、と鼻をならし離してくれた。全くもう。

「ほっぺたびよびよだよー」
「顔の面積がまた広がったな」
「タカ君のせいだから」
「すまん」

そう言いながらもゲラゲラ笑うタカ君にため息をついた。練習中、タカ君がミスしたりコケたりしたら笑ってやる。

20160305
さゆ様、リクエストありがとうございました〜!超過保護ってどんな感じなのかなあ…と思いながら執筆しました。笑 もし過保護だったら何から何まで制限つけてきそうですね。笑
素敵なリクエストありがとうございました!


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