大好きな大好きな彼、岩泉一君が帰ってくるのを待っていたら、寝てしまいました。
そして、パシャ、というカメラの音で目が覚めたのです。…え?

「おー、起きたか」
「おかえりはじめくん…。…なんで携帯を持っていらっしゃるの?」
「お前の寝顔を撮った」
「えええ!」

消して、と何度言っても嫌だの一点張り。寝顔…それは私が一番見られたくない顔。どんな顔してるか分かったもんじゃない。きっと半目で口がぽかんと空いてて…わあああ!

「消そうはじめくん!」
「だから嫌だっつってんだろ」
「私の寝顔写真とか持ってたら呪われる!」
「はあ?これがか?」

ぱ、と見せられたのは本当に私が寝ている写真で…すごいひどい顔だった。

「酷い…悪魔…それで私を脅そうとしているのね…」
「まあなかなかな顔だよな」
「ねえ!そう思うなら消そうよ!」
「嫌だね」
「そんな酷い顔の彼女の写真持ってても幸せにはなれないよ!」
「すっげえイライラしてる時にこれ見て笑う」
「最低だよそれ…」

まあはじめくんの機嫌がそれで直ったらいいけどさ、と思ったけどやっぱりそれはそれで嫌だ。好きな人には可愛い顔しか見せたくなかった…。

「うう…ほんとに酷い…私も変な顔のはじめくんを撮りたい…」
「まず無理だな」
「つべこべ言わず変顔しなさいよー!」

携帯片手にはじめくんの頬をつねると、その手ははじめくんにぱしっと掴まれ、ひゅっと心臓が跳ねた。

「いい度胸じゃねーか」
「……帰ろっか」
「まあ待て。起きたばっかで動くのもしんどいだろ」
「そ、そんなことないよ!」
「へえ〜?」

にたり、そう笑ったと思えば、私の口を勢い良く塞がれた。びく、と肩を震わせるとともに、もう片方の手で私の頭を掴んだので、これは逃げられない、と悟った。

「その顔の写真撮りてえな」
「…絶対いや!ばか!」

行為が終わったあと、真っ赤になっているだろう私の顔を見てそういうはじめくんは、かなりのドSだと思う。
だけど、こんなはじめくんもいいと思ってしまうわたしは、Mっ気があるのだろうか。今日もまた、私ははじめくんに溺れている。


20160308
匿名様、リクエストありがとうございました!裏は書けないので無しの方向で書きました。申し訳ないです。
素敵なリクエストありがとうございました!



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