「……なんでそんなにむくれてんだ」
「べーつーにー」
「……」

月曜、放課後にデートに行こうって話をしていたのに、練習がしたいからと言って断られた。…今が大切な時期なのは知ってるから、仕方ないとは思うけど、思うけどやっぱり、残念だったりする。

「来週は絶対だよ」
「おう」
「じゃあ今日はがんばってね」
「おう」

と、ここまでのやりとりをお昼ご飯中にした。二人で食べているのを見られるのが恥ずかしいから中庭で食べてる。あったかいし、人もあんまり来ない。今日、デートに行けなくなったことが残念で仕方ない。残念すぎるから、今ここでくっついて充電しておくことにした。

「ちょ、どうした急に」
「今日デートできなくなったからーくっついたー」
「…」

ぎゅうぎゅうと彼の腕を握りしめる。筋肉質な彼の腕はかなり硬い。…そんな腕が好きだったりする。

「お前、かなり拗ねてんな…」
「だって今日凄く楽しみだったんだもん…」

彼氏と一緒にボーリングをするのが夢だったのに!超うまそうだし!なんてわがままを言っても、仕方のないことだけれど。彼は彼で、部活に勤しんでるし、頑張ってる彼が好きだし…。

「…すまん」
「うん、いい」
「来週、絶対な」
「うん」

頭をぽんぽんと撫でられて、それだけで機嫌が良くなるなんてかなり単純だけど、私にはそれだけで十分だった。

「…わがまま言ってごめんね」
「おう」
「めんどくさかった?」
「…別に、お前が今日を凄く楽しまにしてくれたの分かったし」
「…」
「悪かったなとは思うけど、めんどくさくは思ってない」
「…」

そこで自分も楽しみだったとは言わないところが岩泉らしい。だって今日を断って練習に行くんだもんね。それで俺も楽しみだったなんて言ったら怒ってたところだ。

「…わたしは全面的に応援します」
「おう。よろしく」
「大好きな岩泉一くんを応援してます」
「おう。なんか照れるな」
「へっへっへ〜」

照れた彼がこの上なく可愛いので、凄くべたべたしたくなったけど、嫌がられない程度にべたべたしていこうと思います。


20160308
匿名様、リクエストありがとうございました〜!好きが始まるの後日談はあと二つほどあるのでぜひ探してやってください笑
素敵なリクエストありがとうございました!

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