「…で?私に報告するのと同時にクラスの殆んどの人が知ったみたいだけど、それって私の扱い酷くない?」
「え、えっと…」
「普通友達には一番に報告でしょ!!」
「ギャアアア首絞まる!!」

友達に首を軽く絞められ窒息死しそう。死にたくないのであんまり強く締めないでね。いやいやそれより、私が名前を呼んだだけでみんな分かるって…皆結構鋭いんだね、凄い凄い。

「ていうかあんたバカップルの道に行こうとしてるわよ!?いいの!?」
「どっどこがバカップルの道なんですか…教えてください…」
「ケンちゃんって呼ぶあたりよ!」
「うふっ」

やばい、つい変な笑みが零れた。そう、私はケンちゃんと一緒に登校してきたのである。そして堂々とケンちゃんと…うふふっ。思い出したらニヤけが止まらない。きっと今席に座って寝てるんだろうな〜。チラ…と友達を見ると、明らかに引いた目で私を見ていた。だってさあ。

「ケンちゃんって…うふふっ」
「…こんなにも友達を気持ち悪いと思ったことはないわ…」
「ええっどうしてえっ」

首を離され、はあ、とおでこに手をのせてため息をついた。なぜ?私がケンちゃんと呼ぶことがなぜ駄目なのか。

「大体なんでケンちゃんなのよ。説明しなさい」
「えーっとねえ、私が同じ生物部の男子のことをあだ名で呼んでたからなんだけど…」

「おい…俺にあだ名とかないのか」
「あっあだ名!?」
「なんでもいいからつけてみろ」
「(狂犬…)えっ、えーっ…えーっと…んーと、あ、ケンちゃん!…とか…どう、かな…」
「……まあいいか」
「(いいんだ!)」


「…ということなのです」
「結局バカップルなのね」
「ええ!なんでよ!そのバカってところ抜いてよ!」
「いいじゃない。仲が良くて」
「えっうんっ」
「きっもちわるい…」
「酷い!」

いいもんいいもん!それだったらケンちゃんと話して公共の場では京谷君って呼ぶことにするもん!いいんでしょそれで!ぱっとケンちゃんのほうを見ると予想とは外れて寝ていなかった。目が合ったのでニコッと笑顔を送ると、ギロッと睨まれた。ええっ怖い!でも、好きな人って考えると…怖くない!


20151229




戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -