告白ったってさあ、あれはノーカンだよね。好き、だけだから、ノーカンだよねえ?よし、どうしよう。何だか認めてしまったら、ドキドキが止まらなくなった。
「やっやあおはよう、いい天気だねえ京谷くん!でもちょっと寒い!」
「…なんだお前」
「なんだって、私だよ、宇佐美ユイコだよ!」
「や、そういうことじゃなくてよ」
「お、おかしいって言いたいの!?普通だから!普通普通!」
「…」
朝の挨拶だって、こんな風に普通に話しかけれてるんだから!ちゃっかり隣を独占して教室に入る。京谷くんは訝しげに私を見る。そ、そんな目で私を見ないで!なんかわかんないけどキュンとしちゃうから!
「…何くねくねしてんだ」
「へっ!?」
わ、わた、わたしくねくねしてたの!?ちょ、なんか色々恥ずかしい…。
「おっす」
「あ、おはよメガネ」
「お前だけ部活ノート出さずに昨日帰ってたぞ」
「うそ!じゃあ今日出す!」
「はいよ」
わざわざ教室に来て言ってくれたメガネ。意外と優しいよねーって京谷くん!?なにメガネ睨んでんの!?しかも何腕をあげてんの!?こいつ肝は据わってるけど腕っ節はまあ弱いよ!?やめて、と京谷君の腕をにぎったら目を見開かれて腕を離された。
「な、なに、する」
「え、だって殴ろうとしたんじゃ…」
「…は?お前を?」
「いやいやわたしじゃなくてメガネ君だよ」
「…肩が痛かったから回そうと思ってただけだ」
「うそ!」
あ。そうだった京谷君今日はショルダーできてたのね!私と一緒!確かに肩痛くなるわ…。一部始終をみていたメガネ野郎は「じゃあな」と言って帰ってった。な、なんかごめん。…はっ、きょ、京谷君の視線が痛い…。
「さ、先ほどは!軽率な行動をしてしまい、誠に申し訳ございませ、ん…」
「…や、いいけどよ」
「ほ、ほんとに!?お前に腕掴まれて腐るとか思ってない!?」
「…思ってねーから」
つか腐るってなんだよ、と笑い始めた京谷君。あ、あ、京谷君が、京谷君が笑った…。
きゅん、と心臓が跳ねた。ど、どうしようドキドキしてきた…顔が、熱い。
「…顔赤(あ)けーけど」
「…あ、暑いからかな…」
「今さっき寒いって言ってたべや」
「京谷君と喋ったら暑くなったの!」
なんでなんて、分かるわけないよね、京谷君は。絶対教えないけどね!せいぜい考えればいいよ!私のことで頭がいっぱいになればいいんだ!
20151227
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