「赤葦くん、ちょっといいかな…」
え。突然クラスに美人だと有名なあの子がやってきた。ざわざわとしてるけど男子は噂してるし女子も噂してる。赤葦は席から立ちあがってその子と一緒にどこかに行った。
「赤葦もモテるね〜」
「…まだ告白ってわかんないじゃん」
「そうかな?じゃあ他に何があるのさ」
「だ、だいたい赤葦に告白って…!」
「なによ」
「…別に」
「気になんの?」
「全然!」
言おうとしてやめた。赤葦この前まで怖いって言われてたじゃん。なんであんな可愛い子に呼ばれてんの?意味わかんないし。もしあれが告白で、もし付き合ったら私はどうするんだろう。おめでとうって言うかな、言うな。あーでも私より先に作るなんてむかつくからやっぱり言ってあげない。「俺見に行こ〜」と男子数人、女子数人と行ったのでじゃじゃ馬だなあと思いながらも私も席に立ち上がった。やっぱり気になるんじゃんと友達は笑ったけど聞こえなかったことにする。みんなについていったら、もう始まっていたのか、おお!とか、わあ!とかみんな騒いでた。そして赤葦が ぺこって頭を下げた。それごめんなさいの意味なのか、よろしくお願いしますの意味なのか。ぎゅっと手を握った。帰ってくるなり男子は赤葦に話かけ、「断ったよ」という言葉に男子も女子もわあわあ叫んだ。
断ったんだ…よかった。
…あれ?
…なんでよかったって…。
「お前も来たの」
「うん」
「ったくみんな悪趣味だよな」
美人さんは隣をさっと歩いて行った。いい匂いした〜美人だし。やっぱり風格漂ってるな。なんで赤葦なんかに。
「なんで赤葦断ったの」
「……」
なんで答えないの。私には言いたくないの?ていうかほんとは断ってなくてオッケーしたんじゃあ…なんて思ってしまう。
「好きな人がいるから」
「…え」
「好きな人がいるから、断った」
そう言って歩き出す赤葦。
好きな人、か。
赤葦にも好きな人がいたんだ…。
なのに相合傘とかしちゃうんだ。あ、でもそんな男子いたな。彼女いるのにそういうことしちゃう人。女子と二人で話したりする人。じゃあ私は違う、か。
「誰よ〜もう。協力するけど」
残念がっちゃだめだよ私。笑顔だ。この前赤葦にやってみせたじゃん。ニイッて…。
「…いや、遠慮しとく」
「はあ!?なんでよ!」
もしかして、もしかして私が好きだからって?私のことご好きだから協力されても困るって?そんな言葉を期待していたんだけど。
「お前バカだから、そいつにバレそう」
「ば、ばれないし!」
違った。
ばかって、今の私にはすごいきつい言葉だ。鋭利な刃物が私にはささって、なかなか抜けない。
うん、そうだよね。やっぱり私はバカだ。
こんなんで分かっちゃうのがバカなんだよ。でも、バカならもっと後で気づきたかった。それか、気付きたくなかった。
「ていうかかえんないの」
「帰りますー!」
私、赤葦が好きなんだ。
気づいたこの気持ちは隠せそうにない。
20150831
え。突然クラスに美人だと有名なあの子がやってきた。ざわざわとしてるけど男子は噂してるし女子も噂してる。赤葦は席から立ちあがってその子と一緒にどこかに行った。
「赤葦もモテるね〜」
「…まだ告白ってわかんないじゃん」
「そうかな?じゃあ他に何があるのさ」
「だ、だいたい赤葦に告白って…!」
「なによ」
「…別に」
「気になんの?」
「全然!」
言おうとしてやめた。赤葦この前まで怖いって言われてたじゃん。なんであんな可愛い子に呼ばれてんの?意味わかんないし。もしあれが告白で、もし付き合ったら私はどうするんだろう。おめでとうって言うかな、言うな。あーでも私より先に作るなんてむかつくからやっぱり言ってあげない。「俺見に行こ〜」と男子数人、女子数人と行ったのでじゃじゃ馬だなあと思いながらも私も席に立ち上がった。やっぱり気になるんじゃんと友達は笑ったけど聞こえなかったことにする。みんなについていったら、もう始まっていたのか、おお!とか、わあ!とかみんな騒いでた。そして赤葦が ぺこって頭を下げた。それごめんなさいの意味なのか、よろしくお願いしますの意味なのか。ぎゅっと手を握った。帰ってくるなり男子は赤葦に話かけ、「断ったよ」という言葉に男子も女子もわあわあ叫んだ。
断ったんだ…よかった。
…あれ?
…なんでよかったって…。
「お前も来たの」
「うん」
「ったくみんな悪趣味だよな」
美人さんは隣をさっと歩いて行った。いい匂いした〜美人だし。やっぱり風格漂ってるな。なんで赤葦なんかに。
「なんで赤葦断ったの」
「……」
なんで答えないの。私には言いたくないの?ていうかほんとは断ってなくてオッケーしたんじゃあ…なんて思ってしまう。
「好きな人がいるから」
「…え」
「好きな人がいるから、断った」
そう言って歩き出す赤葦。
好きな人、か。
赤葦にも好きな人がいたんだ…。
なのに相合傘とかしちゃうんだ。あ、でもそんな男子いたな。彼女いるのにそういうことしちゃう人。女子と二人で話したりする人。じゃあ私は違う、か。
「誰よ〜もう。協力するけど」
残念がっちゃだめだよ私。笑顔だ。この前赤葦にやってみせたじゃん。ニイッて…。
「…いや、遠慮しとく」
「はあ!?なんでよ!」
もしかして、もしかして私が好きだからって?私のことご好きだから協力されても困るって?そんな言葉を期待していたんだけど。
「お前バカだから、そいつにバレそう」
「ば、ばれないし!」
違った。
ばかって、今の私にはすごいきつい言葉だ。鋭利な刃物が私にはささって、なかなか抜けない。
うん、そうだよね。やっぱり私はバカだ。
こんなんで分かっちゃうのがバカなんだよ。でも、バカならもっと後で気づきたかった。それか、気付きたくなかった。
「ていうかかえんないの」
「帰りますー!」
私、赤葦が好きなんだ。
気づいたこの気持ちは隠せそうにない。
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