晴れて岩泉とカップルになれました。それはすごく、すごく嬉しいことで。今にも飛び跳ねちゃいたくて。
でもそんなところ岩泉には見せられない。あたしのこの、変態みたいな部分を岩泉には絶対見せられない。何が何でも隠すって決めたんだから。
だから、だからなるべくニヤけるのもやめる。理由があってのニヤけだけど見られたくないから!

「お前すっげぇ顔してんぞ」
「うおあっ…い、岩泉っ…」

ちょ、あたしの色気のない悲鳴!きゃあとか言えないわけ!?しかもすごい顔って…あたしどんだけブサイクだったの!?落ち着け、落ち着けあたし…。

「いきなりこっち向かないでよね」

相変わらずのツンとした言葉。チラチラと岩泉を見ながら言ったら岩泉は笑って「はいはいすいません」とあたしの頭を撫でた。ぼんっと急に熱くなるあたしの顔。

「なっ撫でんなっ…」

手を払いのけようとしてもかわされて結局髪がボサボサになるぐらい撫で回される。岩泉もニヤニヤしてるし。は、恥ずかしい…!

「やっやめなさいよっ」
「嫌だね。撫でたくなる頭してるお前が悪い」
「意味わかんないし!」

必死の抵抗も無駄で、はあ、はあ、と息をついて、あたしは触れようか迷った挙句、触れるのをやめた。まだ、まだ無理。あたしの汚い手で岩泉の顔なんて触れれない…!諦めてされるがままになっていたらぴたりとその行為は止まった。た、助かった。

「お前顔真っ赤すぎ」

ぶふっと吹き出されてまたあたしの顔は熱くなる。だ、だ、誰のせいで…!

「誰のせいでこうなったと思ってんのよ!」

ぽこぽこと岩泉の肩やら鎖骨当たりを軽く殴ると「いてぇよ」と簡単に掴まれそれは終わってしまって。掴まれてしまったことにあたしは恥ずかしくなって手を抜こうとしたが力を入れられて中々振りほどけない。

「お前いじるの、やっぱ楽しーわ」

そのあとぱっと手を離され、きっと岩泉を睨む。何さ、何さ!ちょっとかっこよくてちょっと男前でちょっと笑顔が素敵なだけで調子乗ってんじゃないの!ばか!

「何だよ」
「…何でもない、ばか」

付き合って変わったことと言えば。岩泉はよくあたしに話しかけてくれるようになったし、何よりスキンシップが増えた。辛い、この胸のトキメキが。まだまだ岩泉に重症なんです。

20151010



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