彼女は泣き虫だ。
怒ったらすぐ泣くしフラれてすぐ泣くししょげたらすぐ泣く。
とにかく泣くんだ。
そんな彼女は俺から見ても他から見てもめんどくさい奴という認識で、特に女子にはあまり好かれていないらしい。ところがどっこい男子はなぜかそんな彼女に胸キュンするところがあるみたいでなぜかモテる。そして告白して、フる。そんなサイクルが毎回回っている。彼女も分かるなら付き合わなきゃいいのに。そんなんだから女子に嫌われるんだよ。彼女はほら、また泣いている。

「…ずっ…えっく…ひっく…」
「まだ泣いてんの」
「だってぇ…」

手で涙をぬぐいながらも彼女は涙が止まらない。彼女は顔が小さい。だから目もまあ顔からしたら大きい方だが、小さいほうだ。そんな目からよくそんなに涙が出てくるなあと逆に関心してしまう。

「どうでもいいけど、今度はなんで泣いてんの」
「呼、び出さ、れてっ…それで…」
「ふーん」

だから俺この前言ったじゃないか。そうやってすぐ男と付き合うからそうなるんだって。彼女は分かったと言ったのにね。泣き止まない彼女にいい加減イライラしてきて、耳を塞ごうかと思った。彼女の泣く声はどうも不快だ。そんなもののために泣くなんて馬鹿馬鹿しいと思う。こんな泣き虫な女、付き合っても絶対長続きなんてしない。なんで俺もこんな奴と一緒に隣に並んでたまに話しかけたりしてるんだろう。イライラしてるならここから離れればいいのに。それができないから本当に困る。俺はこいつに振り回されているんだ。

「…国見くんっ…いつもお弁当一緒に食べてくれてありがとう…」

そうだ。こいつはクラスで友達が俺しかいないからお弁当も俺としか食べない。俺も別に誰と食べてもいいから気にしていない。彼女
はきっとそこらへんの男子よりも俺が大切だろうな。

「どういたしまして」
「いつも話聞いてくれてありがとう」
「別に興味ないけどね」

ひねくれてるってわけじゃない。本当に興味が無いんだ。だって彼女が泣くことってだいたいしょうもない。なんで泣いてるんだって思う。そういうところもめんどくさくてうざくてイライラする。だけど隣は絶対誰にも渡さない。

「私国見くんとは来世でも一緒がいいな…」
「…俺は嫌だけど」

…こんなめんどくさい女、今だけで充分だよ。来世も相手しなきゃいけないのめんどくさいし。

20150908




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