「おはよー榛名ー」
「いって!お前リュックぶつけてくんなよな!」
「うっせー!腱鞘炎の力みたか!」
「お前もはや自分でネタにしてるよな…」

結局、あれから練習をしすぎてまた軽い腱鞘炎になってしまった。
だけど、練習はまだできる。ゆっくりだけど、できるところも増えたし、私はがんばっていこうと思う。
まあ、近くにこいつもいることだし。

「榛名ー帰りアイス買おうね」
「はあ?お前この前買って腹壊してただろ」
「今回はいけるし!」
「いや、実里はそう言って毎回腹を壊す」
「ちょっまだ一回目でしょ!」
「今日で二回目になる」
「うっせ!」

ばしっとリュックでまた叩くと、「俺野球部だぞ!」って言われたんで「鍛えてんでしょ!?」と返した。もう、本当かたそうな背中。すっごい抱きしめたい。野球部の背中を抱きしめるって中々無い経験だと思う。ちょっと今度不意打ち狙って抱きしめてみようとおもう。どういう顔するかな。

「そういえば宮下先輩がお前のこと可愛いっていってた」
「……あ、あの人か。元希が鼻の下伸ばしてーデレデレしててー」
「だーもうそれはいいだろ!」
「よくないもーん」

あの人可愛いし。仕方ないけど、でもさあ!元希ったらすっごい鼻の下伸ばして…本当にありえない。ここに彼女はいるのに。今でもあの先輩はまだ好きになれない。きっと話したらいい人なんだろうけど、性格もいいんだろうけど!でもでも、これは元希も悪いよ。前好きだった人とか、しょうがないけどさ。でもさ、何かこう…面白くないんだよ!

「ほんとお前ヤキモチ焼きだよなー」
「誰がそういうことさしてんだよオラ!」

肩をばしばし叩くと、今日は暴力的だなって言われた。朝からテンション高いと私も思う。とりあえず教室に行こうと歩き出す。思えば榛名君とはいろんなことがあった、何か私が変な勘違いして変なこといったり、急に告白されたり、泣いたり。はー、なんかもう、あんまり思い出したくないのもあるな。

「じゃーね!」

教室までついて、元希に手をふると、ぱしっと手を掴まれた。どうしたの?って聞くと、ぎゅっと少しだけ力を強められた。え?何々。元希はゆっくりと顔をあげて。

「もうちょっと話てー、な」

なんて、いうから。
私も体温上昇中。全く、誰だよ元希に『あいつを手に入れろ!』って言ったやつは。すっかり元希のトリコになっちゃった。全く、よくやったって言ってあげるから。

20150919

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