ヤキモチ。
私はヤキモチをやいたんだ。
…どうしよう。勝手すぎる。榛名君に自分の気持ちも何もかも言っていないのに、勝手にヤキモチやいて、榛名君にわがままいって…。
性格、悪すぎ。

「…ごめん、ごめんね」

腕を離してもらい、あたしはぐずりながらも目をこすった。ああほんと、榛名君の前では泣いてばかりだな。お見苦しいところを見せてしまった。

「何ヤキモチやいてんだって、話だ…性格わるっ…」

はは、て乾いた笑いをするけど全然笑えない。
こんなやつ、榛名君に好かれていいのかな。
榛名君の顔が怖くて見れない。何だこいつ、って思ってるんだろうな、はあ、もういやだ。嫌われたかなあ。

「……お前、俺の事好きなの…?」

びくっと肩が震える。
待ち望んでいた言葉。だけどもここで言ってもいいのか分からなくて、黙っていた。だけど榛名君は「どうなんだよ!」って私の肩を揺らした。ちょ、ちょっとまってよ。

「ここで言って、嫌わない…?」
「嫌うかぼけ」

何言ってんだ今更、ってでこぴんされた。いたい。でも、なんだか少し楽になれた気がする。榛名君、言ってもいいのかな。

「私は、榛名君が……」

ダメだ、言葉にできない。
いえない、喉に突っかかって。
言いたいのに、いつもこういうときだけ勇気がでない。
いつも榛名君が導いてくれたから、私の道。
本当にあのときいったとおりだ。一人で何もできなくなる。
やばい、また泣きそう…。
その瞬間、ふわりと私の手にごつい手がかぶさった。

「ほら、早く」

せかしているけど、声色は優しくて。それにまた泣きそうになった。榛名君は、やっぱり優しいんだなあ。

「……す、…き、です」

下を俯きながらそういうと、はぁーとため息が。やっぱり、呆れてるんだ。今更、なんて思ってるんだ。ぎゅって目を瞑ると、ほっぺたをぶにーとひっぱられた。えっ?となって顔をあげると。

「おせーんだよ」

少し顔が赤い榛名君が、私を見ていて。ほっぺたを引っ張って、痛いけど、なんだか可愛くて、どうしたらいいかわからなくて、へにゃって笑ったら、ぶはって笑われて。

「ひでー顔」

そのひでー顔をしてるのはあんたでしょうに、榛名君は手を離して、私の頭を撫でた。

「あのマネージャーとは何も無かったよ。まあ、前好きだったんだけど、な。あの人彼氏いるし、今はお前が好きだからさ」

何か、複雑なことを言われた。
でも最後の言葉で許してあげようと思う。
結局のところ、私は榛名君が好きだったんだから。

20150919

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