今日も田島は寝てる。
何だろ、そわそわしてきた。田島が寝てると髪の毛触りたくなるの抑えたい。だって好きな人なら触りたいって思うでしょう?あたしは田島が大好き。田島はいつもあたしを笑顔にしてくれる。あたしが泣いてた時も、理由も聞かずに慰めてくれたから。その時から田島は、あたしの王子様であってあたしの好きな人なんだ。

「やっべーー昨日オナニーすんの忘れた!」

…ちょっと、いやかなり下品だけど。
いや今のは聞かないことにしよう。てかなんで寝てたのが急に起きんのよ。しかもその言葉。はあ、田島が残念すぎる。
チラりと田島を見ると視線があって、「おはよー」ってにこって笑った。どき、心臓は高鳴る。

「おはよ…」
「なあ次の授業なに?」
「いい加減把握しなさいよ…」

そう言いながらも話しかけられたのが嬉しいなんて、あたしほんと女の子してるわ。
田島に話しかけてくれただけでこんなに舞い上がって。他の女子と喋ってたらムカついて。ほんと女子って感じ。時間割を教えてやるとおっけー!と教材を出し始めた。はあ、あたしこんなのが好きなんだって気づいたらもう疲れてきた。

「田島は楽しそうだね…」
「おう!」
「いいなあ…パワー分けてよ」
「いいぞ!」

そう言って立ち上がりずんずんとあたしの方へ歩み寄る。へ?何、何がおこんの?至近距離まで近づいて、ゆっくりと近づいてくる。な、なに!?

「パワー注入!」

肩をがしっと掴み、ぐらぐら体を揺らす田島。あたしはほっとしたような残念なような気持ちが交差していた。こんなん逆に疲れるわ…。

「どうだ!?」
「超パワー入った」
「だろ!?」
「ありがと田島」

棒読みで言うと田島はにかにか笑って席に戻って言った。本当なんなんだ、いい加減にしてくれ。あたしはあんたのせいで心臓ばくばくなんだぞ。もう絶対に許さん…。
熱くなった頬を手で冷やしながら、肩を触る。少しだけ、熱を帯びていた。
…なんて、また女の子しちゃった。


20150910
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