田島って、人気者なんだよね。
まあああいう性格だし、ああいう笑顔を誰にでも見せるし、仕方無いんだと思う。思うけどさあ…!

「田島が囲まれてるう…」

机にかじりついて田島を見つめる。田島はいろんな男子に囲まれて和気藹々と話してる。別にいいけど〜〜。いいけどさあ、田島は楽しそうだし。でもあたしは面白くない。またあたしのほうに来てさ、話しかけてよ。あたしに次は何の授業って聞いてよ。あたしに肩揉んでって言いに来てよお…!

「辛いっ現実がっ」
「お前も大概めんどくせーよな」
「ううっ泉…」

泉はあたしの気持ちを知っててよくからかってくる。でもなんだかんだでちゃんと相談にのってくれるいい奴だ。

「田島って…誰にでもああだよね」
「おう」
「あたしのこと…ただの友達にしか思ってないよね」
「…それはわかんねーじゃん?」
「わかるよ!泉はさあたしの気持ち知ってる手前そういうことしかいえないけど…もうやだこんなこと考えてる自分がいやだ!」
「お前ほんとめんどくせーよな」

はあとため息をつく泉。そうだよ自分でも分かってるめんどくさいってこと。でもさでもさあ、思っちゃうんだよ女の子だから。いや、女の子全員がそうじゃないな。あたし限定で!ぎゅっと唇をかみ締めて、田島が笑っているのを見る。はーあ。あたしの前でもそんな顔してよう。

「やっぱマネージャーになるべきだったのかな…」
「やめとけ。お前には無理だ」
「泉辛いそれ」

泉変なトコずばっていうんだよね。でも曖昧に言われるよりかは良いけど。そういえば三橋君何やってんだろ…って思ったら浜田君と話してた。浜田君は留年してあたしたちと同じクラスになった人だけど、全然気さくに話しかけてくれてこっちは嬉しい。正直ちょっと怖かったから。

「夏権始まったら見にいくから…学校休んででも」
「いやそこは学校行けよ」
「だって活躍してるところみたい…!ビデオ撮って帰ってみてニヤニヤしたい」
「きも」

泉にだけだよこんなこといえるのは。他の子には絶対言えない。あたしの本音。田島の前ではツンケンしてるけど、本当は気持ち悪いぐらいに田島が好きで。中々話しかけにいけないから田島から話しかけてもらうのまってるし、一日に一回も話せなかったらその日はすっごい不機嫌になるし、女の子と喋ってたらその女の子が突然腹痛になって暫くトイレに篭ってたら良いのにって思うもん。
こんな気持ち悪い中身田島には絶対見せられない。見せたらあたし…死ぬ。


20150831

戻る

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -