「…まーたあの2人話してるや」
「え?」

田島がじーっと原田と泉を見ている。あの二人は高校から一緒だというのに仲が大変いい。というか、原田が誰にでも話しかけるタイプってのもあるからなあ。田島は頬杖ついて面白くなさそうにじーっと見ている。ぶはっと俺は笑った。

「お前も話に混ざってくれば?」
「…それもそうだな!行ってくる!」

立ち上がって二人のほうに行った田島。やべえなあいつ、面白れぇ。今日の俺は黙って観察することにしよう。お、早速田島が加わった。吃驚する原田に泉はヤレヤレといった感じか。…まあ、よーく見たらわかるけど、原田って田島のこと好きだよなー。結構汗飛んでるし、顔赤くなるし。田島は確かにかっこいいもんなー、好きになるのわかるわ。まあ俺はそういう趣味はねーけど。にしても、何だあの図。なんか三角関係みたいだなー。傍からみたら田島が邪魔してるみたいだぞ。なーんて、こんなこと言ったら田島は怒るだろうなあ。

「見ろよ三橋ー」
「え?」

少し眠たそうな三橋の肩を叩いてあいつらを指差す。眠気眼であの三人を見る。お、何か田島が変なこと言ったのか原田が泉の袖を少し引っ張ってる。田島はムッとしたのか手刀で離した。何だ、あいつも結構分かりやすいじゃねーか。

「……もしか、して、原田さん…」
「お、三橋でもわかるかー!」
「泉、君のこ、と、好き、なのか、な…」
「はあ!?」

俺が突然でかい声を出したので三橋はビクッと肩を震わせうるうると涙目になった。慌てて「ごめんな」と言うけど三橋は泣き出した。どうどうとあやしているうちに田島は戻ってきて、どかっと席に座ってうつぶせた。

「おい、田島」
「もー寝る。おやすみー」

その声はどこか怒りが入っていて、きっと何かあったんだろうな、と俺はこれ以上詮索するのをやめた。三橋はというとおろおろと俺の事を見ていて、はあ、とため息をついた。

「あのな、原田は泉が好きなんじゃなくて…」
「私がどうかしたの?」
「あっ原田っいや、何でもねえよ…」

ロッカーから教科書を取りに着ていた原田。泉はもう席に戻っている。三橋は原田を見てあわあわと焦っている。

「三橋君どうしたの?」
「あ、いや、なん、でも、ない、よ…」
「?」

三橋もよくわかんないから焦ってるし、もうやめてくれよー。結局誤解は解けないまま授業が始まり、三橋も寝ちゃったからそのまんまになっちまった。
…なんかごめん、原田。


20150901
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