あの告白まがいのことをされて、二日。
あたしは未だに田島を避けている。

(また避けちゃった…)

田島も田島で怒ったのか、あたしに話しかけてこなくなった。
…これってまた、ピンチ…!?

「どうしよう泉」
「いや展開の早さだろ」
「そんなんあたしだって吃驚したよ…」

だって田島があたしにす、すすすす、すきって!
きゃああ、思い出しただけでも恥ずかしい。

「そんなん、お前があたしも好きって言ったら終わりじゃねーか」
「まって田島だよ?ライクかラブかわかんないじゃん」
「はあ?」

泉はため息をついてあたしをジトりと見た。「そんなん、ラブにきまってんだろ、ラブ」と軽く言うからあたしの顔はドンドン熱くなって。そ、そんな簡単に…!

「泉は憶測でモノをいう…」
「じゃあお前はいわねーのかよ」
「…言うときもある」

もうどうしたらいいんだろう、はあ。ていうか熱い、自分熱い!ちょっと風にあたろうと席を立った。「外出てくる」と泉に言って教室から出る。出ると、そこには丁度タカ君がいた。

「あ、タカ君」
「よう。三橋いるか?」
「どうしたの?」
「ちょっと野暮用で」
「へえ〜。三橋くーん!」

三橋君を呼ぶと、三橋君はバッと顔をあげて、タカ君のほうを見て急いでやってきた。ついでに田島もチラりと見たら、あたしのほうをじーっと見ていた。へっ、な、何?!少し睨んだ感じであたしをみて、え、怒ってるの?

「田島…」
「…お前と田島って仲いいの?」

口にしていた田島という言葉にタカ君はピクりと反応して、ぐりんとあたしのほうに顔向けた。あたしは『仲いいの?』というフレーズになぜかニヤけてしまって、うふふ、と気色悪い笑みが漏れた。

「そうでもないよ」
「……まあ、だろうな」
「ちょ、それどういう意味よ!」
「あっあべっ阿部君!」

あ、三橋君だ。タカ君はあたしを無視して三橋君と話を始めるから、あたしは諦めて教室に戻った。泉に「はやいおかえりだな」って言われて「もうどうでもよくなった」と席に座った。

「はあ〜…」
「何だよ」
「なんもなーい」

避けてるあたしが、あたしが悪いんだけど…!
チラりと見ると田島がぎんっと睨んできて。
…怖くていけるわけないじゃん!

「助けて泉…」
「自力でなんとかしろよ」


三橋と阿部は泉と八重を見ていた。そして三橋が口にする言葉は、

「やっぱ、り原田さん、泉、君のこと、す、好きなのかな…」
「はあ?あいつは浜田が好きなんだろ」
「え…?」

皆思うことは違う、というのは非常に厄介であるが。だがこの状況は、なんてワンダフルなんだろう。


20150926

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