家へ帰ると私は制服のまま、ベッドに倒れ込んだ。
枕に顔をうつ伏せると、昨日の事から今朝までの事柄が怒涛のように頭の中で蘇る。
もう頭の中がいっぱい、いっぱい。
本当に居た恐怖の妖怪。
遭遇してしまった本物の夜リクオ君。
奴良家へのお泊りも体験してしまった。

でも、案外綺麗な部屋だったし、思い返してみると、ぬら孫ファンとしては、とても萌える体験した事になる?
むわわっ! 思わず顔がにやけてくる。
でも、これで夜リクオ君との関わりは、終わりだよね?
終わり。
そんなにちょくちょく妖怪に襲われるってこともないだろうし。
それに、奴良リクオ君。奴良家では、緊張せずに話せたけど、学校ではあんなに気軽に話せない。
だから、奴良リクオ君との関わりもこれで終わり。

そう考えるとなんだか寂しくなってしまった。

ま、いっか。妖怪世界の任侠沙汰に関わらなくていいって事だから。

そう思いつつ目を閉じる。
だが、何故か脳裏に奴良リクオ君の顔が浮かんで来た。
眼鏡を掛けた奴良リクオ君が、色々な表情をしている。
なんだか胸の中がほんのり暖かくなり、幸せな気分になった。

どうしてだろう?

頭の片隅で考えながら、眠りの世界に落ちて行った。







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