「ん、くっ・・・っ」

貪るようにリクオ君の熱い舌が私の咥内を暴れまわる。
夜の姿に変身したリクオ君に驚いたのもつかの間で、絡められる舌にそこから甘い痺れが広がり思わず手を伸ばしてリクオ君の背中に手を回し服をぎゅっと握っていた。
大好きなリクオ君を感じ、もっと触れ合いたくて、初めてぎこちなくだが、自分の舌を動かしリクオ君の舌に擦り付ける。
するとリクオ君は再び角度を変え、隙間無く深く唇を合わせると私の舌を強く吸った。
その感覚にびくっと身体が反応する。
私はそれに耐えるように更にきつくリクオ君の服を握りしめた。

絡まれた舌は溶けそうに熱くて、そこから一つになって行くようだった。

ずっとこうしてて欲しいと思う。

大好き・・・




リクオ君の唇が細い銀の糸を引きながら、やっと離れた。
舌が溶けそうな感触に私の頭の中は蕩けそうだ。
リクオ君は私の濡れた唇を舐めると至近距離で私を愛しそうに見つめる。

「愛してるぜ・・・誰にもやらねぇ」
「リクオ、く、ん・・・」
「リクオだ。呼び捨てにして構わねぇ」
「リクオ・・・、く・・・ん」

リクオ君の事でいっぱいになるが、なかなかリクオ君の望むように呼び捨てに出来ない。
好きなのに・・・心全てをあげていいほど好きなのに、リクオ君の望むように出来ない
自分の不甲斐なさが情けなくなる。
眉を下げ謝ろうとすると頬に軽く口付けされ、艶のある低い声で囁かれた。

「オレの名前・・・・・・呼び続けちゃくれねぇか?」
「リクオ君のな、まえを・・・?」

私は何故そう言うのか良く判らなかったが、回した腕に力を込めて素直に頷く。

「うん。リクオ君・・・。好き。リクオ・・・んっ」

突然、言葉の途中で耳たぶをパクリと咥えられ、その唇の熱さに痺れが駆け抜けた。

「響華。もっと呼んでくれ・・・」
「リ、クオ・・・っ、やっ・・」

耳の孔にぬるりと熱く濡れた舌が押し込まれ、名前を言い切れずにゾクゾクとした何かが身体中に広がる。
そのまま水音を立てながら耳の周りを舐められ、身体に広がるその良く判らない感覚に我慢できず、首を竦めながらリクオ君にお願いした。

「お願い・・・耳・・だめ」
「判った。他のとこなら構わねぇんだな・・・?」

その感覚が続く事に我慢できなかった私は、リクオ君が言った意味を深く考えず、これで止めて貰えるという思いだけでコクリと頷く。
リクオ君の唇が耳元に降りチクリと痛みが走ったかと思うと、そのまま耳元から首筋、首筋から鎖骨へとぬるついた舌が辿った。

なんで? と思う間もなく、その舌が触れる場所から感じる甘い痺れに思考が奪われた。
と、何かに気付いたリクオ君が顔をあげ私を見つめる。

「名前呼んでくれねぇのか?」
「・・あ、リクオく・・・ん・・・っ!?」

突然脇腹にリクオ君の大きな掌の感触を感じ、驚きに身体を固くする。
が、リクオ君は宥めるようにゆっくり脇腹を撫ぜた。
そして再びリクオ君は私の首筋に舌を這わせる。
その舌から与えられる甘い感覚に今度はなんとか耐えてると、リクオ君の手がゆっくりと胸の方に這い上がった。
いつの間にかブラウスのボタンが外され、肌蹴られた胸にその手は辿り着く。
だめ、と言う間もなくブラがたくし上げられると、胸を直に触れられる。

「柔らけぇな・・・食っちまうぜ?」
「う、え?・・・あっ、んぅっ」

胸の先端を口に咥えられ、舌で転がされると吸われ軽く歯を立てられた。

「リク・・オく・・、んっ、ふぁ・・変、やぁっ」


と、ベランダ側にあるガラスサッシがガラッと音を立てて開いた。

う、え・・・っ!?








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