学校の帰り道。街の大きな書店に寄った。
自分が元の世界に帰る為になにかヒントになる本は置いて無いかどうか、探す為だ。

と、ふと興味の惹かれた雑誌があったので、手に取ってみる。
『子供の産み分け方』だ。
別に妊娠したいとは思ってないけど、将来の為、興味はある。
でも、書店で立ち読みするのも何なので、私は早速それを購入し、マンションに帰った。
そして自室のベッドに寝転がり雑誌を開く。

「ほうほう。女の子を産むには、薄めた酢で洗浄!?」
何か、嫌だ。

でも、妊娠しないようにするにはコカコーラで洗浄すると良いとか言われてるし、こういうのもアリなんだろう。(まあ、コカコーラは嘘だって知ってるけど・・)

「ん? 酢には添加物が入ってる為、専門家はピンクゼリーの使用を推奨?」
って、ピンクゼリーってなに?
はて?25年生きて来て、そんなものにお目にかかった事無い。
「何かの医薬品?」

首を傾げるが、答えは出ない。(当たり前)
ま、いいか、と次のページを捲る。
そして、その内容にポスッと枕に顔を埋めてしまった。

「男の子を産むには・・・・・・・濃厚なアレですか・・・」

女性は深く感じるとアルカリ性の粘膜が排出される為、アルカリ性に強い「Y精子」が受精しやすくなるらしい。
まあ、それはいいとしても、男の子と女の子の産み分け方があったとは驚きだ。

「ふむ。と、言う事は・・・男の子の親はすごい頑張ったって事?」

なるほど、なるほど。
ん? と、言う事は、リクオ君、4代目を誕生させるには濃厚エッチをしないといけないということで・・・
私はリクオ君の彼女候補のカナちゃんと氷麗ちゃんを思い浮かべる。
まあ、従順そうだ。
そして眼鏡をかけた栗色の髪のリクオ君を思い浮かべる。
なんだか、夜は淡白そうだ。
・・・・頑張れ、リクオ君! でも、頑張れなかったら、体力有り余ってそうな夜リクオ君に任せるんだよ!
そう思いつつ、奴良家の方向に向かってナムナムと手を合わせた。

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その頃リクオは、自分の部屋で宿題をしていた。

「ヘックショッ!」
「若。風邪ですか!? 鴆様をお呼びします!」
「わーわー、違うって。ただのクシャミだよ!」

お茶を持って来た氷麗が慌てて部屋の外に駆け出そうとするのを止める。
と、氷麗は風邪とは別の原因に気付いた。

「ハッ。もしや家長カナや九曜綺羅が、リクオ様の噂をしているのでは!?(脳裏に、リクオ君っていう彼氏がいるの!と親に報告する2人の姿が思い浮かぶ) 許せません! 断固抗議して来ます!」
「ダメーッ!」

氷麗の暴走に今日も振り回されるリクオだった。

うん。頑張れ。







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