強く胸元に頭を押し付ける舞香。
嗚咽に肩が小さく揺れている。

何か怖い事でもあったのか?

いじらしくて守ってやりたい、という感情が胸に満ちる。
オレは舞香の頭を強く抱き締めた。

「怖くねぇ。オレが守る……」

とたん舞香はオレの腕を外すように頭を振ると目をまんまると見開いてオレの顔を見上げた。

「へ?」

まんまると見開いた目から涙の跡が見える。

泣かせたくねぇ

だが舞香は慌てたように首を振る。

「いやいや、リクオ君が守るのは私じゃないって!(主に氷麗ちゃんでしょ!?))
「舞香。オレが守っちゃいけねぇ理由でもあんのかい?」
「いや、守って貰えるのは嬉しいけど、でも……(原作とちがうー!)
「不安がるんじゃねぇ。オレが嘘でもつくと思ってんのかい?」

オレは頭をわしゃわしゃする。

「ちょっ」
「絶対ぇ守ってやる」

そして舞香の目元をなめた。

「しょっぺぇ……」
「そりゃ涙だからしょっぱいって!」

うっ、と慌てて口元を手で覆う舞香。
泣いてる事を悟られたくなかったらしい。
あまりの可愛らしさに、くっと笑うと、舞香を立たせた。

「で、舞香はなんでここに居るんだい?ここは羽衣狐の巣だぜ?」
「い、いや、敵と戦って気絶したかと思ったらここに居て……。なんだか羽衣狐の供え物にするために連れて来られたみたいー。」

ははは。と舞香は苦笑いを零す。

舞香を羽衣狐に!?

オレは舞香の手を強く握る

「オレがそんな事させねぇ」
「う、んっ!リクオ君の傍なら安全だよね! ありがとう!」

綺麗に笑う舞香に心臓が強く脈打つ。

「舞香……」

頬に手を添える

「ん?」

きょとんとする舞香に吸い寄せられるように顔を近付けていく。
と突然後方で氷麗と淡島の声が上がった

「「あーーっ!!!」」

………。







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