上手く話せなくて
何も知らなくて
見栄ばかり張っていた
友達にも家族にも
情けなくてつまらないやつだと
思われるのが怖かった
自分が好きだと
自分に嘘をついた
ぼくがぼくを嫌いになったら
ぼくを好きでいてくれるひとは
この世界に一人もいなくなるのだと思った
泣きたいときに
誰かがそばにいてくれたらと思うけれど
気付いたら誰もいなくて
そばにいるのに
遠い気がしていた
泣きたいときに
誰かがそばにいてくれたらと思うけれど
こんなぼくのそばにいてくれるひとが
いなくなってしまいそうで
愛されていると
今頃気付いたけれど
伝い落ちた雫が
いつのまにか大きな染みをつくっている
泣きたいときに
- 12 -
*← | →#
←top