上手く話せなくて
何も知らなくて
見栄ばかり張っていた

友達にも家族にも
情けなくてつまらないやつだと
思われるのが怖かった

自分が好きだと
自分に嘘をついた

ぼくがぼくを嫌いになったら
ぼくを好きでいてくれるひとは
この世界に一人もいなくなるのだと思った

泣きたいときに
誰かがそばにいてくれたらと思うけれど

気付いたら誰もいなくて

そばにいるのに
遠い気がしていた

泣きたいときに
誰かがそばにいてくれたらと思うけれど

こんなぼくのそばにいてくれるひとが
いなくなってしまいそうで

愛されていると
今頃気付いたけれど

伝い落ちた雫が
いつのまにか大きな染みをつくっている


泣きたいときに


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