基地には期待していたアニスの姿は無かった。


けれど、彼女からの手紙が残っているようだし……
大丈夫。
アニスは生きてるのね。



それだけ、判れば充分だわ。




買い物と安否と休息




「と、いうわけで、アニスとはカイツールで合流したいと思っていますので、よろしいですか?」

「もちろん。異論はないわ。」

「では、明日、朝一番に出発します。」


ジェイドの解散、と言う言葉に各自思い思いの行動に移る。
私は一人買い出しへ。




「グミもそろそろ補給しなくちゃいけないし…食材に、武器も、買えるなら買うべきね。」


これからどんな敵と遭遇するかわからないわけだもの。



「メアリー、沢山買い込みましたねぇ?」

「あら、ジェイド…」

必要な物を買い込み、両手一杯の荷物を落とさないように抱えていたら背後からジェイドの声。
振り向けばポケットに手を入れて眼鏡のブリッジを押し上げる彼の姿。



「丁度良い所に来てくれたわね」


微笑み、不思議そうに首を傾げる彼にそのまま荷物を押し付ける。


「メアリー、これは…?」

「武器も買いたくて困ってたの」

「だからと言って、何故私に…」

「良い所に来てくれたから。ありがとう、ジェイド」


お礼を言って先に進む。
すると、ジェイドは諦めたように溜息をついてメアリーの一歩後ろを歩み出す。
ジェイドが来てくれたお陰で必要だった武器がしっかり買えた。




「疲れましたねぇ…」

ドサドサと荷物を宿に置きわざとらしく肩を揉む彼を見てふと思い出す。



「――あ!」

「?メアリー、どうしました?」

「そうよ、そうだわ。ジェイド!ジェイドの部下は全員無事なの、聞いた?」

「!?無事、ですか?」



珍しくジェイドの表情が崩れた。
そして私はタルタロスでの出来事を説明していく。


「――――…と、いうわけなの。言うの、遅くなってごめんなさいね。」

「……いえ、メアリー、ありがとうございます。部下を助けてくださって…」

「マルクト兵は私の仲間。お礼なんか要らないわ」



ニッコリと微笑みを浮かべてジェイドの頭を撫でれば、彼の表情も緩む。


「……さ、明日は早いです。もう休みましょう」

「そうね」




カイツールへは、真っ直ぐ行けそうになくフーブラス川を渡る事になる。
私の予感だと、そこで 何か大切な事が判るハズ。
きっと、ね…




< To be continued >
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