降り立つ大地は…
そう……焦がれた大地
そして、彼の故郷―――。
オールドラント
ヒュゥゥ―――――ッ!
風を切り重力に従い落ち行く身体。
あぁ、このままじゃ…地面にたたき付けられて死んでしまう。
どうしよう、なんて考える暇だってない。
グルリと身体を反転させて地面を見据える。
そして扇を具現化させ、オールドラントではウィンディと呼ばれていた風の精霊…零の力を借りて私は雪降る都市に降り立った。
ケテルブルクのような外観だけど、本当にケテルブルクとは限らない。
だって まだ私は
オールドラントに帰ってきたという確証を得てないの。
「……本当にオールドラントなら……広場に銅像が…」
サクサクと雪を踏み締めて進む。
目的の場所に辿り着けば そこには銅像が昔と変わらずに立ち聳えていた。
「……ケテルブルク、なのね……」
やっと、…
やっと確証が持てた。
此処はオールドラントで…
ジェイド達のいるケテルブルク。
なら、向かう先はひとつ。
ジェイドの家…。
「メアリーなの…!?」
「?あなたは……?」
「ネフリーよ、メアリー!本当にメアリーなの!?」
家に到着してみれば 先手を打たれたかのように扉が開いた。
そして中からはネフリーが。
あんなに小さかったネフリーが、もう 私と同い年くらいに……?
「えぇ、メアリー…よ。ネフリー、なのね…?……逢いたかった。」
「メアリーっ…!」
ギュッと熱い抱擁を交じえつつネフリーとの再会を喜んでいたというのに
ネフリーはポツリと言葉を漏らした。
「メアリー、お兄さんはメアリーが消えてから直ぐにカーティス家に引き取られて、グランコクマで軍人になったの。サフィールもピオニー…も、一緒に行ってしまったわ。」
「グランコクマに……?」
「えぇ……。メアリー、お兄さんを止めて!お兄さんは…まだレプリカを作り続けてるの…!」
「!そんな……」
あれだけ言ったのに
まだジェイドには理解出来なかったのね……。
「………勿論よ、ネフリー。
今から、グランコクマに向かうわ」
「なら、私は船の手配を…」
「えぇ、お願い…」
ドクドクと脈打つ心臓。
やっと逢えるから?
それとも……
怖いから?
怖い?
何が?
ジェイドが?
違う。
怖いのは、
皆が、私の存在を受け入れてくれないかもしれないって事…。
「……大丈夫、よね…」
ネフリーだって、受け入れてくれたんだから……
大丈夫…
軽く頭を振ってメアリーは
港へと向かう為、歩み始めた。
待っていてくれてるんだと信じて―――――…。
<To be continued>