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気持ち悪い。
気持ち悪い。


『名前っち』


啄ばむようなキスを顔中に受ける。
いつもの部屋で首輪をされ、手を手錠で固定されている。
かろうじて自由なのは、足だけだった。
でも、その足には独占欲の印である赤いものが散りばめられていた。


『っ、…涼太』


『ああ、もっともっと俺の名前を呼んで名前っち。名前を呼んでくれるだけで俺、もう嬉しすぎる…』


恍惚な表情を浮かべて、名前の肌を舐める黄瀬。
もう、名前は虚ろな瞳をしていた。


『ん、かわいっ。名前っち大好き。愛してる』


そう言いながら深いキスをしてくる黄瀬。
名前はされるがままになっている。


『んふ、んっ…あっ、』


『名前っちの、ん、喘ぎ声かわいい』


他の女の喘ぎ声が気持ち悪く思える。
絶対、名前っちを抱いたら他の女を抱けなくなる自信がある。
だって、キスでもそう思ってるくらいだし。


『…涼太ぁ』


『ん?なあに?名前っち』


『も、う…やめて』


『だーめ。やめてあげない。俺のことしか見れなくなるくらい、甘やかして溺れさせてあげるんスから』


黄瀬は、名前の首元に顔を寄せ赤い印をつけた。


『…綺麗についたっスね。よく似合ってるっスよ』


這うように首元をなでる黄瀬の手。
人を殺すような人に思えない笑顔を名前に向けた。


『…たす、けて』


『あはは、名前っち。助けなんて来ないっスよ。名前っち、愛してる』


『〜っ、私は…っんぐっ』


ぐっと首を絞められる。
目の前にいる黄瀬は、笑っていた。


『あはははは!俺は否定の言葉はいらないんスよ。名前っちはただ、俺の名前を呼んで、喘いでくれてればそれでいいっス』


生温かい舌が、顔を這う。
気持ち悪い。


『う、あっ…りょ、た』


『あ、名前っちは殺しちゃダメっスもんね』


ぱっと手を離され、咳き込む名前。
それに何思ったのか、名前に噛み付くように唇を重ねた。


『んぐ、ふっ…』


荒々しいキスに名前が黄瀬の胸板を叩く。
そのとき、繋がれている手錠が、ちゃり、と音が鳴った。


『…名前っち。名前っちの息も全部俺のものなんスからね』


『…ふざ、けん、な』


『ふざけてないっス。ああ、また勃起してる…名前っちの手借りるっスね?』


にこやかに言う黄瀬に名前は、涙を流した。


『…泣いたって無駄っスよ。俺はやめない』


地獄はまだ続く。



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