07


平和な毎日を送っていると思っていた。
だって、こんな生活3年ぶりだし。


「名前」


「静音おばあちゃんどうしたの?」


「買い物に行ってきてくれるかな」


「わかった!」


静音おばあちゃんにお使いを頼まれたので、準備をする。
そのとき、おばあちゃんが私に寄ってきた。


「名前、最近軍の人達が街を彷徨いてるそうだから気を付けてね」


「え、」


「じゃ、いってらっしゃい」


おばあちゃんの声を背中に街へと繰り出した。
おばあちゃんの話によると、軍総出で街を彷徨いてるらしい。


「…やっぱり、探しに来るよね」


あんな逃げ方したし。
征十郎は、自分のものを逃がすはずがない。


「…もう、この街も危険」


静音おばあちゃんの言葉は、これも意味する。
さて、どうしようか。
そのときだった。


「名前じゃねーか」


!!!
この声はまさか。


「…青峰の散歩もたまには、付き合ってみるものだな。こんなことが起ころうとは」


後ろを振り返ると、軍服を着崩した青峰大輝としっかりと軍服を着ている緑間真太郎がいた。
まずい、まさかこんなに早く見つかるとは。


「名前ー、探したんだぜ?」


「……」


「…答えない、か」


お気に入りの銃を肩に乗せている大輝。
いつでも殺せるってか。


「今なら、許してやるから大人しく俺らに捕まるのだよ」


「嫌だ」


これは、分が悪い。
彼らは、武器を持っていて私は持っていない。


「…だったら、よ。せいぜい、当たって怪我すんなよ、名前チャン!」


「っ!大輝っ!」


あろうことか、大輝は愛銃をぶっぱなしてきた。
降りかかる弾に私は、避ける。


「名前、愛してるぜ?」


「ふ、ざけんなっ!私は、あそこが嫌だから逃げ出したんだ!!」


ペロリと色っぽく唇を舐める大輝。
私は、弾をよけることで精一杯だ。
さて、これからどうしよう。
彼ら二人から逃げるなんて不可能に近い。
その時、真太郎が笑ったような気がした。



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