血みどろに染めましょうか

懐かしい夢を見た気がした。
懐かしい赤を見た気がした。


「んっ…」


目をこすり意識をはっきりさせる。


「…そういえばここ、私の家じゃなかった」


外を見ると薄明るい。
掛け時計を見るともう6時を過ぎていた。
…物音もしないし、今この屋敷を抜け出してもバレないだろ。
橘の家に行って、着替えて学校に行こう。
うん、そうしよう。


「バレませんようにっ!」


私は、布団に座布団を丸めて私が寝ているようにし、外へ出た。


「玄関どこだよっ!」


キョロキョロしていると、木の陰に人一人通れるくらいの穴があった。


「ここ通れば外に行けるよね」


思い立ったら即行動!
しかもここで見つかったら元も子もないし、行こう。
私は外へと出るのであった。


−−−−−−−−−−−−


橘の家についた。


「裏口から、入ろう。おじいちゃんとおばあちゃん寝てるだろうし」


私は裏口から入りすぐ近くの私の部屋へと入る。


「お、あったあった」


私は、着物から制服へと着替えリュックに教科書などを詰める。


「よし、キッチンに行って朝ごはん作ろ」


流石に何も食べないで学校に行くのはね。
私はキッチンへと歩きだした。


「……?」


気になる。
さっきから、なんというか鉄臭い匂いがする。
キッチンに行くたびに強くなる匂い。


「なんだろうこのにお…い……っ!!」


キッチンに着くとそこには信じられないものが広がっていた。


「おばあちゃんっ、おじいちゃんっ!!」


おびただしい量の血を流しているおじいちゃんとおばあちゃんの変わり果てた姿があった。

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