黄色の閃光

『辰也くん、なんで私に構うのさ』


君が好きだからに決まってるじゃないか。
君が欲しい。
君が愛しい。
だから、手に入れたいと思うのはしょうがないだろう?


*************


「氷室さん、迎えに来たってどういう…」


彼は、ふと視線をずらした。


「ん?言葉の通りだよ」


目を細めて笑う氷室さんに少し背筋が凍った。
私の中の何かが『彼は危険だ』と告げる。


「どのくらい待ったと思ってるの?君が生まれ変わるまでにどのくらいの年月が経ったと思ってるの?」


涼太の刀をかわしながら私に言う。


「もう、こんなに焦がれる想いはしたくない…」


「うるさい、口っスね!」


涼太に汗が見える。
だけど氷室さんには、汗のひと欠片も見当たらない。


「……能力を使うのは止められてるんスけど、使うしかないっスね」


「……ああ、君が今回から入った新参者の黄瀬涼太くんか…」


「俺の名前、知ってくれてるみたいっスね!」


ピリリと涼太の刀が電気を帯びた。


「…ん?君、雷の力?」


「そうっスよ!」


ビリリと音が強くなる。


「感電する前に逃げたらどうっスか?」


「んー…そうだねー…」


氷室さんは、余裕の表情をしている。


「っ!!」


氷室さんに涼太の攻撃は、効かないことは何故か知らないけど知っている。
だから、涼太が危険だ。
そう思うと、体が勝手に動き出した。
裸足なんて気にせずに外へと出た。


「でも、君の攻撃は、絶対俺には当たらないよ」


電気が帯びた刀を氷室さんに振りかざす涼太。
それを避けもせずに見ている氷室さん。


「危ない、涼太!!」


私が二人の間へと飛び出した。
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