『辰也くん、なんで私に構うのさ』
君が好きだからに決まってるじゃないか。
君が欲しい。
君が愛しい。
だから、手に入れたいと思うのはしょうがないだろう?
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「氷室さん、迎えに来たってどういう…」
彼は、ふと視線をずらした。
「ん?言葉の通りだよ」
目を細めて笑う氷室さんに少し背筋が凍った。
私の中の何かが『彼は危険だ』と告げる。
「どのくらい待ったと思ってるの?君が生まれ変わるまでにどのくらいの年月が経ったと思ってるの?」
涼太の刀をかわしながら私に言う。
「もう、こんなに焦がれる想いはしたくない…」
「うるさい、口っスね!」
涼太に汗が見える。
だけど氷室さんには、汗のひと欠片も見当たらない。
「……能力を使うのは止められてるんスけど、使うしかないっスね」
「……ああ、君が今回から入った新参者の黄瀬涼太くんか…」
「俺の名前、知ってくれてるみたいっスね!」
ピリリと涼太の刀が電気を帯びた。
「…ん?君、雷の力?」
「そうっスよ!」
ビリリと音が強くなる。
「感電する前に逃げたらどうっスか?」
「んー…そうだねー…」
氷室さんは、余裕の表情をしている。
「っ!!」
氷室さんに涼太の攻撃は、効かないことは何故か知らないけど知っている。
だから、涼太が危険だ。
そう思うと、体が勝手に動き出した。
裸足なんて気にせずに外へと出た。
「でも、君の攻撃は、絶対俺には当たらないよ」
電気が帯びた刀を氷室さんに振りかざす涼太。
それを避けもせずに見ている氷室さん。
「危ない、涼太!!」
私が二人の間へと飛び出した。